遊ぶ作業療法士パパが実践した 親子でふれあい遊び

パパも混ざって楽しもう!体験を共有する親子遊び(ハイハイ~歩き始め期) 作業療法士パパが実践した親子でふれあい遊び #3

2024.12.11

子どもが楽しく成長していくために、作業療法士で2児のパパが実践した親子のふれあい遊びを紹介します。

パパも混ざって楽しもう!体験を共有する親子遊び(ハイハイ~歩き始め期) 作業療法士パパが実践した親子でふれあい遊び #3

皆さまこんにちは。福永と申します。
作業療法士の私が、実際に娘たちと遊んでいる姿をご紹介しています。
「どんな遊びをしているか」も、もちろん大切ですが「どうやって遊ぶか」の大切さを伝えたくて、連載させていただいています。
前回は「パパと一緒に盛り上がろう」をテーマにお話させていただきました。
今回は「お互いの遊びに混ざっていこう」をテーマに遊びをご紹介します。

また、紹介している遊びを集めると日めくりカレンダーになるように、番号をつけながらカードのようにしています。実際に遊んでいる様子も見られるように動画のリンクを貼っておりますので、是非そちらの方もご覧ください。

目次


やってみて欲しい時は、まずは紹介してみましょう

こっちを向いて欲しい時には、まずはこちらが参加しましょう

実践 一緒に遊んでみた

 05:パパが遊んで紹介すると、娘も興味津々で楽しく遊べた!

 06:娘に興味を持ってもらうには、まずはパパがマネしよう!

 07:娘の動きに合わせて歌を歌ったら、一体感のある遊びになった!

解説 なぜ大人側が子どもの遊びに混ざるといいの? 3つの理由

やってみて欲しい時は、まずは紹介してみましょう

このような記事を読んでくださっている方々は、おそらく子どもたちと遊ぶ熱意にあふれている人が多いのではないかと思います。
しかし、大人が誘っても子どもが思ったように反応してくれない、という経験はないでしょうか。
私も娘を遊びに誘ったのにフラれることはよくあります。
せっかく頑張って準備したのに!と腹立たしさを感じることもあるかもしれません。

そんな時、大人側からすると「やる気ないのかな?」など思ってしまうのかもしれません。
でも、子どもたちは誰しも成長したいと思っているし、やり遂げて喜びたいと思っています。
では何故断るのでしょう。
いろいろ理由はあると思います。
今している遊びが楽しくてそれどころじゃないのかもしれない、何に誘われたのかよく分からなくて不安なのかもしれない、上手に出来なさそうと思ったのかもしれません。
やる気がないと子どもを捉えてしまうと、その後どうすればいいか悩ましくなります。
しかし、子どもたちを「何をすればいいのかよく分からないのかもしれない」と捉えると、まずは少し丁寧に紹介をすれば何とかなりそうな気がしてきませんか?

こっちを向いて欲しい時には、まずはこちらが参加しましょう

これまでに、「大人がおもちゃになりましょう」「一緒に遊びましょう」といった内容で記事を書かせていただきました。
では、どうすれば大人を一緒に遊ぶ人だと思ってくれるのでしょう。
私が考えていることの1つは、まずはこちらが子どもの真似をすることです。
「これやってみようよ!」から「それなに?面白そうだね」と言葉を変換してみましょう。
私は、「パパもいるんですよ!一緒に遊べますよ!」と娘に売り込んでいくイメージで関わりに行っています。

実践 一緒に遊んでみた

05:パパが遊んで紹介すると、娘も興味津々で楽しく遊べた!

(Instagram投稿動画:05「子どもがこちらの様子を見るのも大事①」)
(Instagram投稿動画:05「子どもがこちらの様子を見るのも大事②」)

我が家では小さいプールにボールを沢山入れて、ボールプールを作っていました。
娘がボールを掴むことが増えてきた時期に、雨どいを購入してボールを転がし、そうめん流しならぬボール流しを娘と一緒にしたいなぁと思って計画しました。

「これ面白いよ!」と転がして見せるのですが、娘は「なに?」といった怪訝な表情で見つめるばかり。
私は、これはまだまだこの遊びの面白さを伝えきれていないのだ!と思い、繰り返し遊んでみました。
娘は、ボールと私の顔・表情を見比べながら様子見…。
すると、娘がボールを拾いブンブン振り始めました!
これはチャンス。一緒にボールを振って遊び、さらに「こんなのもあるよ」と雨どい遊びを娘に紹介していきました。
どんな遊びをしているかは、ビデオも是非ご参照ください。

06:娘に興味を持ってもらうには、まずはパパがマネしよう!

(Instagram投稿動画:06「まずは大人が真似をせよ」)

ある日、ボールに夢中な娘とどうやって遊ぶか悩んでいました。
娘が何をしているかを見てみると、片手にボールを持ち、もう片方の手でボールをツンツンしています。
そこで私も、娘が持っているボールをツンツンしてみました。
すると、指が時々触れることで娘は私の指に気付き、「なにこれ」と掴んだのでした。
こっちに注意が向いた!と思った私は、ここでは「掴まれたら震える玩具」となり関わりました。(第1回の記事でも「大人がおもちゃになる」というテーマでしたが)
娘はブルブル震える私が面白く、こちらに興味を持ってくれました。

07:娘の動きに合わせて歌を歌ったら、一体感のある遊びになった!

(Instagram投稿動画:07「バックミュージックを歌った!」)

娘はある日、私が広告で作ったハリセンを振りながら遊んでいました。
今回の作戦は、娘の動きに合わせて、効果音をつけたり、歌を歌ってみました。
子どもと遊ぶ時には大人が歌って子どもが歌に合わせて動けるか、と考えがちですが、遊び始めは逆から入ると良いと思います。
大人がまずは子どもに合わせて遊ぶと、何となく一緒に遊んでいる感が出ます。
すると、娘もこちらを見てまたハリセンを振り始めます。
私は、「これに合わせて歌いなさい」と言われているような気がして、やはりまた歌うのでした。

解説 なぜ大人側が子どもの遊びに混ざるといいの? 3つの理由

1つ目 目で追うのも立派な遊び
大人からすると「見るだけ?」と思うことも、子どもは目の運動をしている、と捉えるとどうでしょう。
ビデオを見ていただいた方の中には、斜めの雨どいをボールが行ったり来たりしていて、眺めているだけで遊びなの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、動く物を目で追う、いわゆる追視は大切なことです。
目を動かしているのも外眼筋という筋肉です。
目の動きは外眼筋の細かい動きによって成り立っています。
私たちは、キャッチボールをする時にはボールを目で追いながらキャッチをしますし、本を読むときにも目をスムーズに動かすことは大切です。
似たような遊びでは、飛んでいくシャボン玉を目で追うことも良い遊びだと思います。
さらに、目を安定して動かすためには、体幹や頭を安定させておくことも大切です。
安定して座れていることもとっても大切なことです。

2つ目 自分の真似をしている大人に注意が向きやすい
人と一緒に関わり遊ぶためには、まずは人に注意を向ける必要があります。
子どもたちは自分と一緒のことをしている人に注意が向きやすい、という特徴があります。
そのため、まずは大人が真似をして、子どもたちに気付いてもらうということが大切なことになります。
私も含め、親としては「誰かと一緒に楽しむことができる子になってほしい」と願う方も多いと思います。
私が考える第一歩は、娘がパパに気付くこと、そして娘が「パパって楽しいんだ!」「私が関わったらリアクションしてくれるんだ!」と分かってもらうことだと思い関わっています。

3つ目 大人がロボットになり、子どもに操作される関わり
子どもたちは、「こうしたらこうなる」という因果関係がはっきりしていることが好きです。
そのため子どもたちはスイッチを何回も押して電気をつけたり消したりすることが好きですし、Aボタンを押すとキャラクターが絶対ジャンプするので、ゲームが好きです。
分かりやすく楽しさを感じるのです。
そのため、大人も子どもの動きに合わせてロボットのように反応すると子どもに気付いてもらいやすく、更に大人の動きを引き出そうとします。
今回の遊びで言うと、以下のような形になります。
05:娘が手を振る⇒パパも手を振る
06:娘がパパの指を握る⇒指がブルブル震える
07:娘が動く⇒パパが歌う

興味を惹いてもらいやすいリアクションを大人がすることで、一緒に遊べる成功率は高まると思います!

次回は、子どもたちにヒットするリアクションとはどのようなものかをさらに掘り下げて、ご紹介していきますね。

≪≪≪前回の記事:『パパも一緒に盛り上がろう!遊びは共同制作』

次回の記事:『パパのリアクションから始めよう!一緒に遊ぶ第一歩』≫≫≫

福永 寿紀
執筆者作業療法士、おもちゃコンサルタント
福永 寿紀
2児の父です。作業療法士として発達領域で勤務していた経験があり、現在は大学で教員をしています。作業療法士仲間と、発達×アナログゲームをテーマに動画配信中⇒【ネコさんとカメさん『発達とボードゲーム』チャンネル】、親子遊びをInstagramで投稿中⇒【hisanori.f】で検索してみてくださいね。

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