遊ぶ作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び

シールで絵合わせパズル&触覚の遊び 作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び #6

2022.12.17

貼るだけでも楽しいシール遊びですが、もう一工夫すると、形を認識したり、触覚を刺激する遊びにも発展できます。

シールで絵合わせパズル&触覚の遊び 作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び #6

皆様こんにちは、福永と申します。
私は発達領域の作業療法士としての経験を活かしながら、もうすぐ3歳ともうすぐ2歳の娘たちと楽しく遊べないか、育ちを応援する遊びができないか、日々考え実践しています(娘に遊んでもらっています)。

今回は、前回に引き続き「シール」を使った遊びをご紹介します。
これまでにも、シールはオセロに貼ってひらがな遊びをすることにも使っていました(#1「マグネット式オセロの釣りゲームで数遊び」はこちらから)が、今回はその他に、形を見たり、指で触ったりすることを大切にした遊びをご紹介します。

目次


積み木・ブロックにシールを貼って、絵合わせパズル

同じ場所にシールを貼ろう

シールはどこ?触って探そう

積み木・ブロックにシールを貼って、絵合わせパズル

サイコロにシールを貼って遊んでみました。 #4「オリジナルのサイコロを作って言葉遊び」でサイコロについては紹介しています。もちろん、好きなシールをサイコロに貼ってオリジナルなサイコロにして遊んでも楽しいと思いますが、今回私は、シールを半分に切って二つのサイコロに貼ってみました。

それだけで、パズルが完成します。6面にそれぞれ違う動物を貼っているので、サイコロを回しながら合う形を探し、動物を作って遊ぶゲームになりました。

 積み木と似たような遊びですが、ブロックにも貼って遊んでいます。写真では、ハート型のシールを半分に切って、ブロックに貼っています。娘たちは、ハートを完成させるには、どうやってブロックを組み合わせればいいか考えながら遊んでいました。

写真では、全てブロックの真ん中にハートの色を変えながら貼り、分かりやすくしています。レベルアップすると、同じ色のハートだけどブロックの上の方だったり下の方だったりと場所を変えてみると、ハートの形を作る際、よりシールの貼ってある場所に注目しながら遊ぶ体験になるかと思います。

同じ場所にシールを貼ろう

次に、私がシールを貼った「見本」を作って「まねっこしてね」と伝えて遊びました。ごっこ遊びの延長でマスをマンションに見立て、「一階はだれ―?」と声をかけたりしています。娘は、「うさぎさんの下はねこさんでー…」と場所を確認しながら貼っていました。一人では難しい場合には、「一番下にいるね」「真ん中だね」など場所を言葉で伝え、助け舟を出してあげると良いかと思います。

場所や形を、しっかり見よう

シール遊びは、自分の好きなものを自由に貼るだけでも、目や手をしっかり動かす遊びになります。今回は、そこに「意識して見る」ということをプラスしています。子どもたちが楽しく行うことが前提ですが、自分で「こうかな」と狙った場所に貼ることは、達成感も得られますし、脳や体の成長には大切なことです。

また、上下左右を意識するような遊びは、文字を書く力にもつながります。文字を枠のどこから書き始めるといいか分かるためには、この位置関係を把握する力が必要になります。

シールはどこ?触って探そう

最後になりますが、シール探し遊びを紹介します。今回は、目で探すのではなく、触って探します。まず、下の写真のように指でシールの厚みを指で触って確かめます。

次に、机のどこかにシールを貼り、布を上から被せます。娘には手だけを入れてもらい、シールを探します。娘が「ここ!」と場所を決めたら布を取って正解発表です。

遊びを通してたくさんの「触る」体験を

これまでにも、触る遊びを多く紹介してきました。私が娘と遊ぶ時には「目に頼らずに触って遊ぶ」ということをよくしています。お風呂の底のおもちゃを取る、なんて遊びも同様の遊びです。
よく見る力ももちろん大切ですが、私たちは触覚もたくさん使って生活しています。財布から小銭を取り出すときや、シャツの一番上のボタンを留める時などは、目で見ずに手探り(触覚)で行っています。この感覚を育てることは、子どもたちの様々な作業の助けとなります。ぜひ、ご自宅で余っているシールに一工夫して遊んでみてください。

* * *

ここまで6回にわたり、身近なものを使った我が家での遊びを紹介してきました。
少しの変化で、また違った遊び方をすることができます。
実際に見て、触って、感じる遊びは、子どもの頭・体・心の栄養となります。 ぜひ、楽しみながら遊んでみてください。

≪≪≪前回の記事「体全体を使ったシール遊びで、動作や姿勢の基礎をつくる」

福永 寿紀
執筆者作業療法士、おもちゃコンサルタント
福永 寿紀
2児の父です。作業療法士として発達領域で勤務していた経験があり、現在は大学で教員をしています。作業療法士仲間と、発達×アナログゲームをテーマに動画配信中⇒【ネコさんとカメさん『発達とボードゲーム』チャンネル】、親子遊びをInstagramで投稿中⇒【hisanori.f】で検索してみてくださいね。

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