遊ぶ作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び

マグネット式オセロの釣りゲームで数遊び 作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び #1

2022.07.29

【新連載】身近にあるおもちゃには、子どもを育む要素がたくさん!作業療法士パパが実践している簡単なおうち遊びを紹介します。

マグネット式オセロの釣りゲームで数遊び 作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び #1

皆様こんにちは、福永と申します。
私は発達領域の作業療法士としての経験を活かしながら、もうすぐ3歳ともうすぐ2歳の娘たちと楽しく遊べないか、育ちを応援する遊びができないか、日々考え実践しています(娘に遊んでもらっています)。

連載の機会をいただきましたので、毎回お題となる身近なおもちゃで娘たちとどう遊んだか、その意義を添えながらお話したいと思います。

今回は、多くの家庭にあると思われるメジャーなゲーム、コマにマグネットが入っているタイプの「オセロ」を使った遊びをご紹介します。

目次


「オセロ」ってどんな遊び?

オセロを「数・計算」を体験する遊びにアレンジ

数は「体験」することが大事!!!

「オセロ」ってどんな遊び?

「オセロ」にはどんな要素が詰まっているかというと、例えば「めくる」という指先の動作があります。また、狙ったところに置く「目と手を連動して動かす」という要素もあります。他にも、終わった後には枚数を「数える」といったことも必要な遊びですよね。

一見、ただの遊びのように感じられますが、手先を動かしたり、目を動かしたり、数を数えたりと私たちの生活の中で必要な動きが入っていることが分かります。

通常の遊び方でもそういった要素は入っているのですが、我が家の娘たちは、まだルールを理解して遊べる年齢ではありません。そこで、こんな遊び方をしてみました。

オセロを「数・計算」を体験する遊びにアレンジ

 私は、「あ、オセロって磁石入ってる!」と思ったわけです…。
そこで、こちらの写真を見てください!長女、次女と遊んでいます。

これは、オセロのコマを「魚」にした、魚つりゲームです。
釣り竿は、作り方は自由だと思いますが、写真の釣り竿の作り方をご紹介します。
ラップの芯に穴をあけて、紐を通します。先端はカプセルの中に磁石を入れて、テープを巻き開かないようにしています。カプセルには穴が開いているので、そこに紐を通しています。
これは、磁石の誤飲を防ぐために考えたことです(紐に磁石を直につけると、何かの拍子で磁石が取れてしまうのではないかと思ったからです)。

また、オセロのコマも誤飲の危険がありますので、遊んでいるときは必ずお子さんから目を離さないでください。遊び終わったら、手の届かないところにしまうなど、安全に配慮して遊んでくださいね。

釣りを上手に行うためには、肩や腕をじっと動かさず安定させる動きが大切です(紐が揺れてしまうので)。これらは、日々の座る姿勢や手先の器用さにもつながる大切な遊びです。

ちなみに写真では、長女は六角台を使って遊んでいます。そうするとよりバランスが必要になって難易度もアップするので、立位の姿勢が安定している、注意がよそに向かずに目の前の遊びにある程度集中することができる(台から踏み外さないように)お子さんならチャレンジしてみてもいいと思います。

転倒の危険がありますので、始めは台を使わず同じ床の高さから始めることや、もし台を使用する場合は、周りには物を置かないようにするなど、お子さんの様子をよく見てサポートしながらチャレンジさせてあげてくださいね。

コマは、1個だけだったり3個重ねていたりと、ランダムに置いています。
そうすることで、釣ったコマの数をポイントとすることができます。制限時間に何ポイント稼げたか、でもいいですし3回ずつ釣って合計を競ってもいいと思います。

次女は、まだ数を数えることができないので、取ったコマを1枚ずつ盤に張り付けていくだけですが、これも両手を使ったり、指先を使うことになります。長女(もうすぐ3歳)とは一緒に釣ったコマを1つずつオセロの盤に並べながら数を数えていっています。
オセロ盤には升目が書かれていることも、ここで意外と役に立ちます。数が視覚的に分かりやすいです。

得点を競うほか、「10個釣ったらごはん食べようね」のように、行動の目安にしても良いかもしれませんね。
もう少し年齢が高いお子様には、合計を計算したり、掛け算にしてみたりと難易度を変えると良いかなと思います。

数は体験することが大事!!!

数の概念、とよく申しますが、まずは何よりも「体験」することが大事です。
数字の「3」という記号の読みを覚えるよりも、まずは3個の物に触れたり、並べてみたり、数えてみたりといった体験が大切になります。
釣ったコマを重ねて「10個積むと、2個の時より高くなるよねぇ」「白より黒の方が多いなぁ」みたいに、実際に見たり、大人の解説を聞いたり、体験することが子どもたちの発達を応援することにもつながります。

他にも様々な遊び方はあると思います!
次回もオセロを使った子どもを育む遊びをご紹介します。
他にもオセロでどんな遊び方ができるか、実践している方はぜひ教えてくださいね。

次回の記事「ことば」と「モノ」をつなげる遊びが、オセロでできた!≫≫≫

福永 寿紀
執筆者作業療法士、おもちゃコンサルタント
福永 寿紀
2児の父です。作業療法士として発達領域で勤務していた経験があり、現在は大学で教員をしています。作業療法士仲間と、発達×アナログゲームをテーマに動画配信中⇒【ネコさんとカメさん『発達とボードゲーム』チャンネル】、親子遊びをInstagramで投稿中⇒【hisanori.f】で検索してみてくださいね。

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