遊ぶ園長先生がときめいた遊び日誌~保育園の遊び環境を考える

園児の見つけた「あれ?おもしろい!」をキャッチする - 保育園の遊び環境を考える#1

2021.03.26

園長先生が保育園で目にしたすてきな遊びの場面から、大切にしたい遊び環境について考える連載、第1回目です。

園児の見つけた「あれ?おもしろい!」をキャッチする - 保育園の遊び環境を考える#1

こんにちは。岐阜県の私立保育園で園長をしている加藤志保です。

家庭環境や月齢の様々な子どもたちが一日の大半を過ごす保育園。
「一人ひとりの育ちや興味や関心に添った遊び環境を考えること」を大切にしています。

遊びに夢中になる子どもの姿、きらきらした目の輝きや体の動きを見ていると、こちらまでうれしくなってきます。

この連載では、子どもたちの日々の遊びの1コマをご紹介して、保育園で大切にしたい遊び環境についてお話したいと思います。

今回は、子どもが偶然遊びを見つけて、「おもしろい」「もっとやってみたい」と心が動いた瞬間のお話です。

* * * * * *

子どもの表情や言葉、動きなどから「本当に大きくなったなぁ」と一人ひとりの育ちを実感する3月です。

この時期は、子どもたちがぐーんと大きくなって、異年齢の子ども同士のつながりも深まってくるので、落ち着いてひとつのことをじっくり楽しむことができるようになります。

保育者たちも子どもと一緒になって遊びこむ、子どもの遊びをおもしろがる!
そんな光景があたたかくて、楽しくて・・・子どもと共に過ごすってこんなにうれしいんだとしみじみ思います。

そんなある日のことです。
2歳クラスの子どもたちがままごとコーナーで、トントンまな板で野菜を切ったり、お鍋を火にかけながらかき混ぜたりして遊んでいました。

お料理をしている子どもたちのそばで、Tくんがちゃぶ台の上でままごとの人参(木製)をクルと回しました。

この人参は、マジックテープでくっついたり離れたりする、真ん中で切れるようになっているものです。
回したというよりもタイミングよく偶然回ったと言った方がいいかもしれません。

その回る人参に一番驚いたのはTくんでした。

そして、「もういっかい」と言わんばかりに何度も繰り返し、そのうちにコツをつかんで回すことが上手になっていったのです。
つまんでひねる、ふたつの動作を巧みに行った後のこの親指、とてもいいと思いませんか?

そんな様子見ていた子どもたちがままごと遊びをやめて、ちゃぶ台のまわりに集まってきたのです。そして、同じように回し始めたのです。

傍にいた保育者が、マジックテープをくっつけた球状のみかんやじゃがいも、りんご、いちごを回しました。
子どもたちの目にはどんなふうに映ったのでしょう。
思わず「みかんがダンスしているみたい!」と真っ先に声に出したのはわたしでした。

満足したTくん。回すこと、回るものに興味をもったのか、これも偶然なのかはわからないけれど、場所を移してビリボを回して遊び始めたのです。

両手を大きく動かして、「えいっ!」
自由自在におもちゃを操るマジシャンのようでした。

Tくんのクルクルに心うばわれたわたしです。

子どもが「おもしろい!」と思った瞬間を保育者がキャッチして、一緒に楽しむこと。
次の遊びにつながるように声をかけたり、別のおもちゃを出してあげたりすること。
いずれも、遊び環境を整えるうえで、大切にしたいことですね。

翌日、グッド・トイ2020受賞の「にぎにぎこま」を保育室に置いておきました。
軸が太めで握りやすい、どっしり感のあるコマもクルクル回り、みんなの目を楽しませてくれました。

加藤 志保
執筆者保育園長、おもちゃコンサルタントマスター、ぎふ木育指導員
加藤 志保
公立保育園で保育士として勤務後、私立保育園に。保育園では「おもちゃの広場」を開催し、子どもの発達や興味に合わせた遊び環境を日々考えています。遊びに夢中になる子どもの姿を、保護者や保育者に伝えていきたいと思っています。

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