パパのリアクションから始めよう!一緒に遊ぶ第一歩(ハイハイ~歩き始め期) 作業療法士パパが実践した親子でふれあい遊び #4
2024.01.12
子どもが楽しく成長していくために、作業療法士で2児のパパが実践した親子のふれあい遊びを紹介します。
皆さまこんにちは。福永と申します。
作業療法士の私が、実際に娘たちと遊んでいる姿をご紹介しています。
「どんな遊びをしているか」も、もちろん大切ですが「どうやって遊ぶか」の大切さを伝えたくて、連載させていただいています。
前回は「お互いの遊びに混ざっていこう」をテーマにお話させていただきました。
今回は「リアクションをしよう」をテーマに遊びをご紹介します。
また、紹介している遊びを集めると日めくりカレンダーになるように、番号をつけながらカードのようにしています。実際に遊んでいる様子も見られるように動画のリンクを貼っておりますので、是非そちらの方もご覧ください。
私たちにとって大切な、人との関わりってどういうもの?
人と関わりながら生きていくことが大切であると感じられている方は多いと思います。
社会性という言葉があります。社会性とは「集団を作って生活する」「周囲の人々と交際しようとする」ことを指します。
社会性の発達のためには、他者理解を深め、コミュニケーション力を向上する必要があります。
また、私たちの脳は集団生活に適応するように進化したとも言われています。
どうやって子どもたちは育っていくの?
子どもたちには、スクスクと育ってほしい…と願うのが親心だと思います。
では、子どもたちはどうやって育ち発達していくのでしょう。
1つには、実際に経験してみることが挙げられます。
例えば、赤ちゃんは排便をしてお尻が気持ち悪くなる時に泣きます。泣き声を聞いて駆けつけた親にオムツを替えてもらうことで、嫌な気分がおさまり心地よくなります。
こうした経験を通して、赤ちゃんは「泣けば、親が来てくれて心地よくなる」ことを学び、もっと人と関わろうというベースが作られていきます。
つまり、人と関わっていいことがあった!という成功経験が次のチャレンジを引き出し、行動が促されます。
これは赤ちゃんだけの話ではなく、子ども・大人も一緒です。
今回のテーマである、大人のリアクションは子どもたちの「一緒に遊んで楽しい!」「もっと遊びたい!」を引き出してくれる方法の1つです。
どんなリアクションがいいのか、実際に遊ぶ様子を見てみましょう。
実践 一緒に遊んでみた
08:パパが実況中継してみたら、遊びが繰り返された!
(Instagram投稿動画:08「実況中継で盛り上がろう!」)
我が家では、牛乳パックで簡単に作れるブロックをたくさん用意しています。
まずは、パパが牛乳パックのブロックでタワーを作り、娘がなぎ倒す…シンプルな遊びをしている様子です。
注目していただきたいのは、遊びの時の声掛けです。
例えば「ガッシャーン」と効果音をつけたり、「〇〇ちゃんパーンチ」「ブロックが倒れましたぁ」など、実況中継をしています。(声かけの様子:instagram投稿動画)
私は繰り返しブロックでタワーを作ります。娘は何度も何度も倒します。
大人からすると同じことの繰り返しで飽きてしまうかもしれませんが、子どもたちは同じような遊びの中でも色々とやり方を変えて試行錯誤しながら遊んでいます。
遊びを繰り返してやり込む、そんな部分も応援したいので、わんこそばみたいに、娘が倒す→「倒れたぁ!」→積む→娘倒す…を延々と繰り返しています。
途中でふと娘を見ると「早く置いて」と言いたそうにこちらを見つめていたりもします。パパに関わろうとしてくれている瞬間です。
09:指差しに反応したら、絵本の新しい使い方が生まれた!
(Instagram投稿動画:09「パパはおしゃべりマシーン」)
ボタンを押すと音が出るおもちゃが好きな子は多いかと思います。でも機械と遊ぶだけじゃもったいない。
今度の遊びは、音の出るおもちゃをパパが再現しよう!、ということで始まったものです。
始めは絵本を読んでいるだけですが、まだこの頃の娘が絵本のストーリーを理解することは難しいです。
娘の様子をみると、描かれている絵を色々と指さしていました。
これはチャンス!
すぐさま指した物の名前を言っていきます。
前回の記事の「大人がロボットになり、子どもに操作される関わり」の内容のように、なにかを指さすとパパが反応するため、娘はその反応を引き出そうと色々と指さしをするようになります。
10:リアクションをしたら、もっと娘から関わってくれるようになった!
(Instagram投稿動画:10「大人のリアクションが遊びを促す」)
最後は、娘がボンボンをむしっている様子を紹介します。
この遊びは、両手を一緒に使い(両側協応運動とも言います)、指先の感覚を養える良い遊びです。
このボンボンは、私が前日に頑張って毛糸で作ったものだったのですが、どんどんむしられていくという悲しいことに…。
何とか直せないかと「(むしったやつ)ちょうだい」とお願いしたことがきっかけでした。
娘が渡す⇒「ありがとう」⇒お礼言われた!じゃあもっとあげよう!
と、エンドレスにボンボンがむしられる結果となりました。
パパとしては悲しさ半分、娘が楽しく遊んでくれた嬉しさ半分。
その様子を見たおばあちゃんが反応すると、「え、おばあちゃんもいるの?」とむしった毛糸を渡しに行く娘なのでした。
解説 作業療法士が教えるリアクションの3つのコツ
コツその1 先手必勝!大人のリアクションから、子どもが自分の行動の意味を知る
パパが先先手でリアクションを取ることで、子どもたちの行動に大人が意味づけできるようになります。
例えば、今回紹介した遊びの中でも、たまたまパパに毛糸を渡した時に面白いリアクションがあったので、娘は更に渡そうとなりました。
子どもたちは、最初からリアクションを狙って行動しているわけではないことも多いです。
パパが勝手に「娘が毛糸をあげようとしていること」にして、「ちょうだい、ありがとう」と先に言ったことで、子どもたちは何をしたらリアクションがもらえるのかを理解し、行動が促されていきます。
コツその2 大人が自分をアピールし、操作されてみる
以前の記事でも「パパはこのおもちゃより面白いよ!」とアピールしている、ということを書かせていただきました。
パパってこんな人ですよ、ということをアピールすることが大切だと考えています。
例えば、こんなことをしたらパパはこう反応しますよ!ということを子どもに分かっていってもらいます。
今回紹介した遊びで言うと、絵本を指さしたら名前を言いますよ!ブロックを倒したら効果音出しますよ!のようにです。
子どもたちは、扱いやすい物に惹かれる側面がありますので、うまく子どもに操作されましょう(笑)。
コツその3 子どたちが生の体験をできるようにする
記事の序盤にも書かせていただいた、実体験によって発達していくことについて紹介したいと思います。
例えば、人は自分がカエルを見ている時に「それ、カエルだね」と言われることで、あぁこれってカエルっていうんだ、と理解していきます。
繰り返し言う練習をするより、体を使った体験を通すことで言葉は育っていきます。
言葉の発達には、
①実際に自分が行ってみること
②その経験を人と一緒に共有していること
③そこに、言葉を添えてもらうこと
が必要です。言葉の発達の基礎には、しっかり動いて遊んでもらうことはやっぱり大切ということになると思います。大人からのリアクションは子どもたちにとってご褒美にもなっていると考えています。
次回は、繰り返し反応しよう、をテーマに親子での遊びを紹介していきますね。
作業療法士パパが実践した 親子でふれあい遊び
遊ぶ育む2024.01.12