遊ぶ二児のママが実感 木のおもちゃの魅力とコスパの良さ

音に癒されながら、発達に大切な動作を身につける 木のおもちゃの魅力とコスパの良さ#6

2023.06.09

「心地よい音」にひかれて繰り返し遊ぶうちに、発達に大切な手や指の動きが身についていったら嬉しいですね。そんな「音」が魅力の木のおもちゃをご紹介。

音に癒されながら、発達に大切な動作を身につける 木のおもちゃの魅力とコスパの良さ#6

こんにちは。おもちゃコンサルタントの大森と申します。
地元、栃木県那須塩原市にて「木のおもちゃスペースhami」という木のおもちゃの貸切利用のサービスを提供しています。
そして、2歳、4歳の男の子2人を育てる現役ママで、私自身も木のおもちゃが大好きです。

我が家の子どもたちは、赤ちゃんの頃から遊んでいたおもちゃを、遊び方を変えながら何年も使い続けています。
木のおもちゃは、大人も子どもも癒されるだけでなく、丈夫で壊れにくい。
つまり、長く使えてとってもコスパがいいのです。

そんな木のおもちゃの魅力をお伝えしたくて、この連載では、赤ちゃんから幼児期までの成長に合わせたテーマをもとに、長く使える、年齢差のある兄弟でも一緒に使うことのできる木のおもちゃをご紹介していきます。

最終回となる第6回目のテーマは「音に癒される木のおもちゃ」です。

目次

癒しの音楽を聴いているかのような心地よさ

音に癒される木のおもちゃ1 シロフォン付球の塔(ベック社)

音に癒される木のおもちゃ2 ソリットドラム(プラントイ社)

音が鳴るまでの過程に、発達を促す動作が

子どもにとって大切な「遊び」をサポートする木のおもちゃ

癒しの音楽を聴いているかのような心地よさ

私自身、木のおもちゃを好きになるきっかけになったのは、心地よい『音』でした。
長男を出産し、初めての子育てでどういったおもちゃを選べば良いのかも分からず、とりあえず目についたものを購入しては「この子にはどのおもちゃが合うのだろう」と悩んでいました。

そこで、自分なりに調べているうちに、子どもや私に、音や肌触りで癒しを与えてくれる木のおもちゃ達に出会ったのでした。
木のおもちゃ同士のぶつかる音や球が転がる音。どれも癒しの音楽を聴いているかのような心地よさがあり、これは子どもに遊ばせたい!と、どんどんと惹かれていったことを思い出します。

きっと子どもたちにとっても同じように、癒しの効果があると思います。遊びの中で癒される瞬間をもつおもちゃ達、『音』に子ども達が刺激を受けて繰り返し楽しく遊べるものを、今回はご紹介していきたいと思います。

音に癒される木のおもちゃ1 シロフォン付 球の塔(ベック社)

ヒーリングトイといったらこれ!といえるほど、遊びの中で音に癒される代表的なおもちゃです。
上部の小さな穴に付属の球を1つずつ入れていくと、一段一段球が転がっていき、最後にシロフォンの鍵盤を「ソファミレド」と奏でながら降りていくものです。

一見単純そうで、すぐに飽きてしまうのではないかという声もあるかもしれませんが、これが意外にも何回も繰り返し遊ぶんです。
子どもの小さな手だと球をひとつずつつまんで小さな穴に入れる。この一連の動作は集中力がいります。
穴に入れることに成功し、球が落ちる様子を目で追う。そして最後にはきれいな音が奏でられる。
この小さな「できた!」の体験が「またやりたい!」を生み出すのだなと、子どもたちを見ながら感じています

また、付属の球は50個ほどあり、連続で落としていくことで1つの時とは違った音を聴くことができます。
そして1つだけ付いてくる大きめの球がまた、遊びを豊かにしてくれます。遊び方は、途中の穴を大きい球でふさぎます。そこに沢山の小さな球を流していく。すると球がたまっていきます。最後に穴を塞いでいた球を外すと、一気に他の球が転がりだし、より一層重なったシロフォンの音を奏でます。
この球の多さや少しの遊びの工夫で、飽きずに取り組むことができるのです。

我が家の子どもたちも毎日のように触っていますが、やはり一番好きなポイントは最後のシロフォンのようです。本物の音を聴いて音の違いや美しさに気付く。この体験は子どもたちの感性を育ててくれるでしょう。
またその姿を見て、聴いて、大人も同時に癒される、子どもたちが成長していく中でずっとそばに置いておきたいおもちゃです。

音に癒される木のおもちゃ2 ソリットドラム(プラントイ社)

こちらは見ての通り木製の太鼓です。太鼓は叩くだけで遊べるので、月齢が低いうちから取り入れられるおもちゃですよね。
沢山の太鼓のおもちゃがある中で、このソリットドラムをおすすめするには理由があります。

それは「音の違いを実感できる」ということです。よく目にする電子太鼓は叩くと音楽が鳴ったり音楽が流れたりするものでしょうか。
もちろんそれは子どもたちの興味を引くもので楽しいですし、それが悪いということではありません。我が子も音楽がなるおもちゃ、大好きです。
しかし今回ご紹介するソリットドラムの最大のポイントは、遊ぶ子ども自身で音を変えられるということです。 それは叩く強さで音が大きくなったり小さくなったり、また、叩く場所によって音が違うことに気づけるということ。また、バチの先端がゴムなので叩いた時の音が耳にも優しいです。

我が家の次男を例にすると、1歳頃はとにかく強く叩いて「トン!トン!」と綺麗に響く音を楽しんでいる様子でした。
叩くこと自体が好きでしたので、ハンマートイに加えてよく太鼓も叩いていた印象です。
それが段々と成長するにつれて、自分なりに手首を上手く使いながら音の強弱をつけるようになったのです。
そして2歳になった頃には、歌を唄いながらリズムに合わせて、優しく叩くまでに。これは木製太鼓ならではの姿だと思っています。
遊びの中で音の豊かさを知ることができ、小さい子から大人までの幅広い年代に愛されるおもちゃだなと改めて感じています。

音が鳴るまでの過程に、発達を促す動作が

今回ご紹介したおもちゃ達は「音」に注目しましたが、音が鳴るまでの過程で、子どもたちの発達を促す動作がそれぞれにありました。
シロフォン付球の塔でいうと「摘まむ」という動作。またソリットドラムについては、音の強弱をつける際の手首を捻る動き。これもまた日常生活で欠かせない動きです。
このように音の違いや美しさに触れ、感性を磨きながら発達に大切な動作を遊びの中で身につけていけるというのは、とても魅力的なポイントだと思います。

子どもにとって大切な「遊び」をサポートする木のおもちゃ

これまで木のおもちゃの魅力を沢山お伝えしてきましたが、もちろん木のおもちゃ以外にもその素材にしかない魅力的なものは沢山あります。布、プラスチック等々、数え切れないほどのおもちゃの種類が世には溢れています。
その膨大なおもちゃの中で我が子に与えるものを選ぼうと考えたときに、今までの連載でのお話が少しでも役に立てれば嬉しいです。

私は、子育てしている中でよく思うことがあります。 それは「子どもたちにとって遊びは食事と同じくらいに大切」ということです。
毎日食事をするように、子どもたちは毎日おもちゃに触れて遊びます。遊びの中で様々な動きやルールを覚えていき、自らの手を動かし考え、工夫しながら楽しむ。木のおもちゃにはそんな遊びのサポートをしてくれる力があると思っています。

今回で連載は最後になりますが、木のおもちゃに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
これまでご覧いただきありがとうございました。

【二児のママが実感 木のおもちゃの魅力とコスパの良さ】 連載一覧


1.0歳から幼児まで


2.見る力が発達してきたら


3.遊びの中で動作を促す


4.1歳ごろから長く続く「ごっこ遊び」に


5.本物に触れながらアート作品を作れる


6.音に癒されながら、発達に大切な動作を身につける


大森 舞
執筆者おもちゃコンサルタント。「木のおもちゃスペースhami」主催。
大森 舞
自宅の一部屋を木のおもちゃメインの貸切部屋として提供するサービス「木のおもちゃスペースhami」を行っています。地元のマルシェや市の施設等で木のおもちゃの体験会やおもちゃ販売もしています。インスタグラム(@hami_omocha)では、おすすめおもちゃなども発信中。

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