遊ぶ作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び

「ことば」と「モノ」をつなげる遊びが、オセロでできた! 作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び #2

2022.08.19

おうちにあるゲームで、文字や言葉の概念が楽しく身につきます!作業療法士パパが実践している簡単なおうち遊びを解説します。

「ことば」と「モノ」をつなげる遊びが、オセロでできた! 作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び #2

皆様こんにちは、福永と申します。
私は発達領域の作業療法士としての経験を活かしながら、もうすぐ3歳ともうすぐ2歳の娘たちと楽しく遊べないか、育ちを応援する遊びができないか、日々考え実践しています(娘に遊んでもらっています)。

前回は、マグネット式オセロを使って、「数」というものを実体験できるような釣りゲームをご紹介しました。

前回の記事「マグネット式オセロの釣りゲームで数遊び」はこちら

今回は、オセロで「ことば遊び」をしてみます。

「同じ形のコマが複数ある」「指先でコマをつまんで裏返す」というオセロの特徴を活かして、娘といろいろなことば遊びをしてみました。
「ことば・文字」も、「数」と同様に抽象的な概念なので、幼い子どもが理解するためには、実際のものを通した体験が、その手助けになります。

それでは、私たち親子の「オセロでことば遊び」をご紹介しましょう。

目次


オセロで「ことば遊び」①文字を見つける

オセロで「ことば遊び」②ことばを作る

オセロで「ことば遊び」③足りない&隠れた文字をあてる

オセロで「ことば遊び」④クロスワードパズルを作る

「文字の形」と「音」との関係に気付く

オセロで「ことば遊び」①文字を見つける

今回は、オセロの白面にひらがなを書いたシールを貼っていきました。私が字を書いて、娘がシールをはがし、一緒に貼っていっていきました。シールをはがすこと自体にも娘は興味津々です。このオセロのコマを並べてことばを作っていきます。

めくること自体が楽しい娘は、並んだコマを適当にめくっていきます(笑)。めくった文字を私が読んでいきました。
「あり…の『あ』!」。
色々と裏返しながら「『あ』」を探せゲーム」としても楽しく探していました。一緒に見つけた時の達成感はひとしおです。

オセロで「ことば遊び」②ことばを作る

次に、私が貼ったものを娘に読んでもらいました。
一つずつコマを指差しながら一緒に読んでいきます。写真ですと「き・つ・ね」と一緒に読み、娘も「きつね!」と言えば、「ピンポーン!」と言いながら隣の紙にきつねのイラストを一緒に描きます。
これで、「文字」と「ことば」と「もの(イラスト)」がワンセットでつながります。娘がめくった文字から始まる言葉を一緒に考えて、それを描くなどもしてみました。

オセロで「ことば遊び」③足りない&隠れた文字をあてる

次に、言葉を作ったあと、どこか一つを裏返してみます。
例えば、一番最後の文字を裏返して「き・つ・●」とします(うちの娘は動物大好きなので動物の名前で作っています)。そこで、一緒に「き・つ…」と読みながら、娘の方を見ると「ね!」と答えたりします。そこで裏返し「正解!」といったクイズ形式での遊びも楽しいです。

写真のように「に・わ・と…」として、他のコマから「り」を探して完成させる遊び方もしてみました。言葉が完成した時には娘も嬉しそうにしています。

オセロで「ことば遊び」④クロスワードパズルを作る

さらに遊んでいくと、オセロの盤が碁盤の目のようになっていることが役立ちます。写真のように「クロスワードパズル」が作成できます。
ぜひ、写真の黒駒の部分には何が入るのか、考えてみてください。

一見、「じゃあクロスワードパズルをすれば良いのでは?」と思われるかもしれません。
しかし今回大切にしたいのは「自分で作れる」ということです。より主体的な遊びができると思いますし、自分の知っている言葉・範疇で行うことができるので失敗体験にもなりづらいです。
紙に線を引くよりも簡単ですし、字を書くことが苦手と言う場合にもめくるだけなので取り入れやすいかなとも思います。

「文字の形」と「音」との関係に気付く

言葉を使えるということは、「音」と「文字」と「具体物」の一致ができるということです。

言葉がなぜ難しいかというと、実体がなく抽象的だからです。
言葉・文字自体には意味はなく、ただの記号です。私は、外国語に通じていませんので私は外国語の文字を見ても、ただの図形としか見ることができません……。こういった抽象的な物(言葉)を扱うというのは、実体がある物を扱うよりもはるかに難しいことだと言えます。
そのため、実体のない言葉と私たちを繋ぐものとして今回はオセロのコマ(物)を使ってみました。

一文字一文字にはそれぞれに音があること、その文字がくっつくと意味ある言葉(単語)になるということをオセロを使うことで目に見えて確かめることができます。
ことば遊びと言えば、「しりとり」なども代表的ですが、「しりとり」はこれらを理解しないとできない遊びです。

今回の遊びをすると、「しりとり」もかなりイメージしやすくなるかと思います。オセロで言葉を並べて、最後の文字を残して、そこから続けるということを目で見て、コマ(実物)を動かしながら体験ができるのです。
実物を使い上手に操作できるようになるからこそ、頭の中だけで操作できるようにもなるからです。

* * *

次回は、積み木をテーマに、娘たちとの遊びを紹介します。引き続きお楽しみに!

次回の記事「積み木はケースから出し入れするだけでも楽しい!」≫≫≫

≪≪≪前回の記事「マグネット式オセロの釣りゲームで数遊び」

福永 寿紀
執筆者作業療法士、おもちゃコンサルタント
福永 寿紀
2児の父です。作業療法士として発達領域で勤務していた経験があり、現在は大学で教員をしています。作業療法士仲間と、発達×アナログゲームをテーマに動画配信中⇒【ネコさんとカメさん『発達とボードゲーム』チャンネル】、親子遊びをInstagramで投稿中⇒【hisanori.f】で検索してみてくださいね。

作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び

この連載の記事一覧へ

遊ぶ育む2022.08.19