遊ぶ作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び

積み木はケースから出し入れするだけでも楽しい! 作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び #3

2022.09.16

積み木遊びをするなら、作品を作らないと!いいえ、もっと簡単に親子で楽しむ遊び方がありますよ。作業療法士パパのおうち遊びをご紹介。

積み木はケースから出し入れするだけでも楽しい! 作業療法士パパがおうちで実践 子どもを育む遊び #3

皆様こんにちは、福永と申します。
私は発達領域の作業療法士としての経験を活かしながら、もうすぐ3歳ともうすぐ2歳の娘たちと楽しく遊べないか、育ちを応援する遊びができないか、日々考え実践しています(娘に遊んでもらっています)。

前回までは2回に亘ってオセロを使った遊びをご紹介しました。
今回は、「積み木」を使った遊びをご紹介します。

目次


「積み木」ってどんな遊び?

「積み木」を「パズル」にアレンジ

枠組みを作ってタングラムに

「この文字は何?」「この絵は何?」ゲームに

物を操作して、形を組み合わせよう

「積み木」ってどんな遊び?

積み木はかなり自由度が高いおもちゃです。
どんなことができるか考えてみると、握る、離す、並べる、数える、打ち鳴らす、積む、崩す、組み立てる、見立てる、…などたくさんあります。

「これは四角、これは三角」など形を見る力が必要ですし、積み重ねるためには「目」と「手」を協調させ、どちらも上手く動かすことが必要です。
時には、自分の体をゆっくり丁寧に動かす、集中する、「長い・短い、高い・低く」などの言葉や概念の獲得にも役立つ遊びです。
遊び方に幅がある分だけ、それぞれ発達に寄与する所も幅広いおもちゃだと思っています。

本来、積み木は「こうして遊べば良い」というものではなく、子どもの創造性に任せて遊ぶことも大切になるおもちゃだとは思うのですが、今回は娘と行って楽しかった積み木遊びを紹介します。

「積み木」を「パズル」にアレンジ

積み木ならではの遊びは何かな、と考えたときに私は、「片づけることだ!」と思いました。
おもちゃは本来、箱やケースから出して遊ぶものですが、積み木はケースにきれいに片づけることも楽しくできます。これはパズルのような遊びとも言えます。
冒頭の写真を見てください。これは娘たちと「この中には何が入るかな?」とパズル兼片付けをしている場面です。

ある程度片づけておいてから、残りをはめてもらいます。お子様の力に合わせて残しておく数を変更すると良いと思います。何通りかの答えがあるように残しても良いと思います。
片づけるって何だか面倒さを感じる響きがありますが、パズルで完成させる!となると子どもたちの興味も違ってくるかと思います。完成させるとスッキリします。

枠組みを作ってタングラムに

お持ちの積み木に、ぴったりはまる箱やケースがなく、紹介したような片付け方法ができない場合もあるかもしれません。
そこで、段ボールを切って、枠組みを作ってみました。作り方は、段ボールの上に積み木を並べて載せ、縁取りした後に切っているだけです。

私は、同じ四角の形でも何通りも積み木の組み合わせがあることを知れると面白いかなと思って四角に切ってみました。しかし、形はなんでもOKです。工作好きの方は、タングラムのようにしても面白いかもしれません。
枠組みがあると、通常のタングラムよりは易しく遊ぶ事もできます。
下の写真は、娘が積み木を自分で組み合わせて「うさぎ!」と言っていたので、その形に段ボールを切りました。その後、穴を埋めるように積み木を繰り返しはめていました。

「この文字は何?」「この絵は何?」ゲームにアレンジ

積み木のケースの中に、イラストや文字のカードを隠してみました。
積み木を一部分取ると、「これなーんだ?」のクイズが楽しめます。
もうすぐ2歳になる次女はイラストで行っています。みかんのイラストの上に積み木を並べておくと、イラスト見たさに積み木を箱から取り出しています。

3歳の長女は最近文字に興味が出てきたのでひらがなで行っています。
少し積み木を取ってみて、「これなーんだ?」と遊んでいます。分からない時には、「もう一個取ってみたら?」「赤色の積み木取ってごらん」と色や数を合わせた声掛けをしてみても良いと思います。
「もう一回!」と娘は繰り返し遊ぶので、また枠にぴったしになるように積み木を詰め合わせていくことになります。

お子様の年齢やできることに応じて、隠すのを漢字にしてみたり、早押しクイズにしてみるなど、遊び方を変えてみてください。

物を操作して、形を組み合わせよう

今回紹介した遊びのように、実物を操作して、形を組み合わせたり、綺麗に詰めるといった経験は私たちの生活の中にもたくさんあります。
例えば、箱の中にきれいに片づける、お弁当箱におかずを詰める時などです。
この動作は、字を書く際にマスにどのように配置するかイメージするといったことにもつながります。実物を操作する体験をすることで、頭の中でイメージすることも上達していきます。ぜひ、たくさんのリアルな体験、遊びをしてくださいね。

* * *

いかがでしたか?
積み木と言うと「何か作品を作らなければ」と思う方もいるかもしれませんが、ちょっとした工夫で、ケースから出し入れするだけでも、充分楽しめます。

次回も、我が家の遊びをご紹介します。

≪≪≪前回の記事「ことばとモノをつなげる遊びが、オセロでできた!」

福永 寿紀
執筆者作業療法士、おもちゃコンサルタント
福永 寿紀
2児の父です。作業療法士として発達領域で勤務していた経験があり、現在は大学で教員をしています。作業療法士仲間と、発達×アナログゲームをテーマに動画配信中⇒【ネコさんとカメさん『発達とボードゲーム』チャンネル】、親子遊びをInstagramで投稿中⇒【hisanori.f】で検索してみてくださいね。

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