遊ぶコロナ禍の全国を旅したおもちゃ箱のお話

ウィズコロナの子育て支援を模索して、オンラインに挑戦!

2021.06.11

子育てママを応援する方法として、オンラインを活用!コロナ禍のおもちゃと人の物語をお届けする連載第5回目。

ウィズコロナの子育て支援を模索して、オンラインに挑戦!

こんにちは。全国を旅するおもちゃ箱の管理人、きみです。

「全国を旅するおもちゃ箱」とは、東京おもちゃ美術館を運営する「認定NPO法人芸術と遊び創造協会」の会員特典、「おもちゃの宅配サービスセット」のこと。

この連載では、コロナ禍でおもちゃがどんな風に使われたのか、利用した方への書面インタビューをもとにレポートしています。

おもちゃセット利用にはどんなストーリーがあったのでしょうか?
全国を旅したおもちゃたちは、どんな活躍をしたのでしょうか?

今回は番外編として、私自身の活動を紹介させてください。

* * * * * *

ストーリー5: ウィズコロナの子育て支援を模索して、オンラインに挑戦!/君ひとみ(神奈川県)

園児+地域の親子向けに「おもちゃの広場」を開催

2017年からYMCAかわさき保育園さんの「地域子育てプログラム」の一つとして、園児+地域の親子向けに年4回開催する「おもちゃの広場」を、担当させて頂いています。

2020年度も計画はして頂いてましたが、コロナ禍で中止続きに。
社会が動き出した秋の予定日(11月)は園児さんたち対象の部分だけ再開。
そして年度最終予定日の2月には、地域の親子さん方の様子伺いを兼ねて、園の先生とオンライン企画にチャレンジしました。

半年以上という長期に渡る自粛生活で、子どもたちはどうしているんだろう?
この世に誕生している赤ちゃんもきっと多いことでしょう!
そしてママさんたちの心のケアは?子育ての悩みは?…

毎日、そんな想いがぐるぐると頭を巡っていた時に、園の先生から同じような想いを抱いていること、そしてリアルが難しいなら「オンラインで『おもちゃの広場』をやってみませんか?」とお誘いを頂いたので、二つ返事でお受けしました。

オンラインで遊ぶ・おもちゃを見せる工夫

オンラインミーティングアプリ「ZOOM」に慣れているママさん方が思ったより少ないようで、当日は3組のママさんとお子さんが参加しました。
「ハンドパペットモンキー」(フォークニマス)をお供にお話ししたので、子どもたちはお猿さんに大喜びして、画面に向かって何度も手を振り返してくれました♪

まずは、「家にある物でひと遊び」と称して、ティッシュで遊びました。

吹いて飛ばして、「雪が降ってきた」!こんな時だからこそ、おうちではぜひ深呼吸を!
丸めて投げて雪合戦!ビリビリしたり、テープで留めて雪だるま作り!おうちですぐ実践できる遊びの種を。
先行しておもちゃコンサルタントの仲間の皆さんが、病児を対象とした「オンラインおもちゃの広場」で実践されている様子がとても参考になり、励みとなりました。

後半はおもちゃの紹介タイムです。約15分間で4つのおもちゃを画面越しに見せながら、遊び方をご紹介しました。

まずは、持ってる方も多い「オーボール」(ラングスジャパン)。
先ほどのティッシュやハンカチや布を詰めると、子どもたち大好きな引き出し遊びに大変身!

次に、子どもたちが大好きな電車遊びにも変身する「六角ひねり積木」(銀河工房)。
「今の環境だとひねる動作ってほとんどないですよね、なので遊びの中で意識して取り入れては?」という提案をしました。

そして「サボテンバランス」(プラントイ)で、オンラインでゲームにもチャレンジ。
どの色のパーツが良い?と指名すると、2歳さんはやはり「この色!」と指定してくれました。
他は主にママさんに選んで貰いましたが、思ってたよりなかなか倒れない絶妙なバランスに、皆さんまたちょっと表情が豊かに笑顔になりました。

そして、美しい音色の「アウリスグロッケン」(鉄琴)。
参加されたお子さんが0歳、1歳、2歳とさまざまだったため、音が鳴る、動きが画面を通して分かりやすいおもちゃが、やはりオンラインでは適していると思いました。

オンラインということで、担当の先生とは、とにかくお子さんの名前とママさんのお名前を呼びながらお話しすることを心掛けました。するとママさん方と目が合って笑顔が増えるので、大切なアプローチだなと痛感しました。

最後の挨拶では、私は「リングドール」(アトリエ朝香)と布を組み合わせた簡単「お雛様」をご紹介して、計40分ほどの「オンラインおもちゃの広場」はお開きとなりました。

リアルな広場にオンライン広場という新しい可能性が加わって

0歳、1歳、2歳とお子さんの月齢がいろいろでした。
そのため、画面を見つめる0歳ちゃん、しばし興味を向けてくれたもののそのうち家のあちこち探検へ繰り出していった1歳ちゃん(ママもその後を追っていきました)、そしてこちらが用意したプログラムで楽しそうに遊んでくださった2歳さんと、反応もそれぞれさまざまでした。
やはりお子さんの反応具合でママさんの満足度も変わると思うので、オンラインでどこまでどう引き出せるかが大きな課題だと思いました。

ずっと家にこもりがちな生活が続いている親子さんにとって刺激的な時間となったようで、
「子どもは動き回ってしまいましたが、私が気分転換になって楽しかったです」
「家にある物や持っているおもちゃで、意外な遊び方ができることを知って良かったです」
「東京おもちゃ美術館にも行ってみたいです」と、ママさん方から感想を頂きました。

2021年度も園の「おもちゃの広場」は開催して頂いていますが、今のところ園児さん達向けのリアル開催の部分のみです。他のプログラム(英語遊び、体育遊び等)はオンラインで地域の親子さん向けに計画が進んでいるようですが、果たして「おもちゃの広場」は…?と検討中のようです。
私としては、ママさんたちのおしゃべりの場にもできたら良いな!と感じました。そのために「おもちゃ」「あそび」がどう活かせるのか?模索がまだまだ続いています。

今後の情勢を見据えながら、園の地域の親子さんの子育てを支えるプログラムへの協力を、今年度も続けていきたいと思います。

* * * * * *

コロナ禍でも何ができるのか?どうできるのか?を主催の園と相談した結果、オンライン「おもちゃの広場」が実現しました。まだまだ試行錯誤は続きますが、アフターコロナでも活用できる親子支援の形を今後も模索していきたいと思います。

さて、次回も番外編です。実はコロナ禍前のご利用についてなのですが、とても印象に残っていて、ぜひ私が取材したい!と思った、どうしても皆さまにもご紹介したいエピソードなのです。

どうぞ次回のストーリーもお楽しみに!

君ひとみさんによる「子育てママ応援!赤ちゃん遊びのヒント」はこちらからどうぞ

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君 ひとみ(きみ ひとみ)
執筆者川崎市認定保育園非常勤保育士、おもちゃコンサルタントマスター
君 ひとみ(きみ ひとみ)
神奈川県川崎市認定保育園非常勤保育士、おもちゃコンサルタントマスター、木育インストラクター、他。市内の認可保育所主催の「おもちゃの広場」、自宅サロン活動、育児サークル活動のほか、 区役所主催の「赤ちゃんが来た!」プログラムのファシリテーター、こんにちは赤ちゃん訪問員など、産後ママを応援する活動に携わっている。

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