遊ぶ【連載】大人も子どもも楽しい! アナログゲームでコミュニケーション

人と関わる楽しさを伝える アナログゲームで作る遊び環境

2019.08.02

子どもの遊びを豊かにするカギは、大人の遊ぶ力。アナログゲームで子どもと遊びの時間を共有しましょう!連載最終回。

人と関わる楽しさを伝える アナログゲームで作る遊び環境

子どもにとって心豊かな遊び環境を作るには、大人の「遊ぶ力」が重要になります。
「遊び」と聞いた時に大人が何をイメージできるかで子どもの遊びの環境は全く変わってきます。大人が遊ぶと子どもも遊びます。だから、外遊びはもちろん、大人がすぐれたおもちゃやゲームを知っていることも大切です。

例えば数年前に比べて大分知られてきたとはいえ、まだまだ見たこともない人が多いアナログゲーム。画面を通したコミュニケーションではなく、表情や声を通して「人ってそれぞれ違う」と体感し、感情が動いた時にどう対処するかを遊びの中で経験していると、人生の課題を解決していく力につながっていきます。遊ぶ力は生きる力なのです。そうしたすぐれたゲームを、大人が楽しみながら、子どもたちに伝えられるといいですね。

我が家の子どもたちが幼児の時から現在まで、10年以上ゲームで遊んできた中で一番よかったと思うことは、「同じ時間を共有できた」ことです。負けて怒ってパーツを投げつけたこと、キャンプで昼も夜も翌日もカードを出して遊び続けたこと、お泊り会にびっくりするほどたくさんゲームを持って行っていたこと、法事など親戚が集まった時に床に広げて遊んだこと、部活の友達が遊びに来た時にわいわいと遊んだこと。
おもちゃもそうですが、カードゲームもそこに人がいなければただの「モノ」でしかありません。対戦ゲームで本気対決をしたり、協力ゲームで声をかけあったり、みんなで大笑いしたり、それができるのは一緒に遊ぶ人がいるからです。数えきれないほどのゲームを介して得たものは、子どもと作ってきた数々の思い出です。

小さい頃に「誰かと遊ぶのって楽しい」と感じた子は思春期に部活や勉強で忙しくなって一旦離れても、また人と関わって楽しい時間を作ろうとします。カードゲームで遊ぶのは、大人にとってはちょっと手がかかるなと感じることもあるかもしれません。でもその時間が親子ともにかけがえのないものになっていきます。
「次どのカードを出そうかな」と選んでいる時、誰も夕飯の心配や悩み事について考えたりしていません。そういう意味では大人にとっても「今に集中する」ことで癒し効果があります。

家庭に遊びの文化を根付かせたくて、講演、ゲーム会、販売をしています。「楽しかった」と受け身でで終わることなく、受け取ったらその小さな種を今度はそれぞれに蒔いていってほしいと願っています。いつからでも遅くありません。人と関わる楽しさを簡単に作ってくれるカードゲームを手に取って見てみて下さい。あなたもすぐにコミュニケーション上手になれますよ。

≪≪≪前回の記事はこちらから!

菊地 三奈
執筆者mother’s spaceミーナ代表、おもちゃコンサルタントマスター
菊地 三奈
保育士として8年間勤務した後、男児ふたりの子育てをする中でアナログゲームと出会う。おもちゃ・木育・コーチング・アナログゲームなどを親子イベントや講座を通して広く伝えている。札幌市在住。

【連載】大人も子どもも楽しい! アナログゲームでコミュニケーション

この連載の記事一覧へ

遊ぶ育む集まる2019.08.02