遊ぶ【連載】大人も子どもも楽しい! アナログゲームでコミュニケーション

高学年~中高生におすすめ!「協力ゲーム」に挑戦しよう

2019.05.10

プレーヤーが協力して目的を達成するゲームは、高学年~中高生とのコミュニケーションにも役立ちます。連載第3回。

高学年~中高生におすすめ!「協力ゲーム」に挑戦しよう

「協力ゲーム」というジャンルを知っていますか?
私がはじめて協力ゲームを知ったのは今から10年以上前、長男と次男がまだ幼稚園の頃でした。「騎士たちの塔」は4人みんなで協力してカードに示された通りに積み木を積みあげていくゲームです。他のゲームのようにそれぞれが真剣に勝ち負けを競うのではなく、友達どうしお互いに声をかけあってお題カードのクリアに向けて協力していました。

小学校高学年くらいからの協力ゲームは子どもの成長を感じることができます。
8歳以上、2〜4人で遊ぶ「パンデミック」は、科学者や衛生兵などの役割を担いながら世界各地に蔓延する病原体を根絶することが目的の協力ゲームです。4つの治療薬を発見すれば勝利できますがこれがなかなか難しい。「次は違う作戦でやってみたい」「次は違う役割をやってみたい」など、ゲームを通して物事への意欲や問題を解決する思考が育まれていきます。

ドイツゲーム大賞2017ノミネート作品の「マジックメイズ」は、協力ゲームでありながら会話禁止のルールがあります。しかもコマを動かせる方向は役割として決まっており、勝手に好きな方向へ動かすことはできません。制限時間も決まっています。数々の制約の中ミッションを達成すべく、時間を延長するための場所へコマを動かす、会話をしてもいい場所へ行きわずかな時間内に相談するなどを試みますが、自分ひとりではコマを動かすことすらできません。もどかしくて大人同士でも夢中になります。

こうした「ルールがある中でお互いにベストを尽くす」経験を遊びの中でできていると、実際の生活の中でも「どうしたらみんなが参加しやすいか」「どうしたら決められた条件の中で実現できるか」を考えることができるようになります。
また、ゲームの中で役割が与えられていたり、作戦を立てたり、相談したり、交渉したりと様々な視点から考えて遊ぶことでそれぞれの得意や苦手がわかり、新しい発見があります。協力ゲームは人との関わりの中で進行する必要があり、遊びながらコミュニケーションの楽しさや達成感を経験することができます。ルールを理解した上で様々な力を使う協力ゲームは子どもの力を伸ばし、大人にも様々な気づきを与えてくれるのです。

年齢に合ったゲームを知っていると、部活や勉強に忙しくなる時期の子どもとのコミュニケーションツールとして役立ちます。お子さんがまだ小さいご家庭は「いつか成長した我が子とやってみたいゲーム」があると、その日が来た時にとても感慨深いですよ。
小学校高学年からは大人と対等に協力ゲームをしてみませんか?思っているよりずっと早くその日はやってきます。

次回の記事はこちらから!≫≫≫

≪≪≪前回の記事はこちらから!

菊地 三奈
執筆者mother’s spaceミーナ代表、おもちゃコンサルタントマスター
菊地 三奈
保育士として8年間勤務した後、男児ふたりの子育てをする中でアナログゲームと出会う。おもちゃ・木育・コーチング・アナログゲームなどを親子イベントや講座を通して広く伝えている。札幌市在住。

【連載】大人も子どもも楽しい! アナログゲームでコミュニケーション

この連載の記事一覧へ

遊ぶ育む集まる2019.05.10