遊ぶ子育てでわくわくしよう!子どもと遊ぶ6つのヒント

6か月頃までの赤ちゃんの発達とおもちゃ選び-子どもと遊ぶ6つのヒント#3

2021.11.12

ねんねの頃の赤ちゃんにおもちゃは必要?子どもの発達の専門家が、おすすめおもちゃと遊び方ご紹介します。連載第3回。

6か月頃までの赤ちゃんの発達とおもちゃ選び-子どもと遊ぶ6つのヒント#3

こんにちは。おもちゃコンサルタントの竹内あゆみです。
私は、保育者のたまごを育てる学校で講師をしています。また、休日は地元の子育て支援センターでおもちゃの広場を開催しています。

おもちゃの広場には、首がすわる前の赤ちゃんを連れた方が、
「このくらいの年齢で遊べるおもちゃはありますか?」
と遊びに来られることがあります。
日頃どのような関わりをしているか伺うと、
「まだ寝ている状態だし、お世話をするだけでいいのかなと…。」
とおっしゃる方は少なくありません。

言葉の話せない赤ちゃんは、お世話されるだけの存在?

赤ちゃんは、言葉が話せなくてもその場の空気を感じ取り、自分がしてもらっていることを学習する力を持っています。
繰り返しお世話をしてくれる大人のことが次第にわかるようになります。また、その大人の出している雰囲気や周りの環境にも影響を受けています。

赤ちゃんは何かをしてほしいとき、泣くという行為で大人に知らせます。
例えば、おむつが濡れて気持ちが悪いとき、おなかがすいてミルクが欲しいとき、眠いのに暑くて寝付けないときなど、泣くことで不快な感情を伝えているのです。

こうした表現を大人が受け止め、「気持ち悪かったね、おむつ変えようね。さっぱりしたね!」など、大人の動作を言葉にしながら赤ちゃんの感情を代弁することで、不快を快に変えてくれる大人に信頼を寄せるようになります。
こうした特定の大人との応答的な関わりを通して、赤ちゃんは人を信じる力を身に付け、心のよりどころを見つけることで、周りの環境にも関わりが持てるようになります。

こうして赤ちゃんは徐々に周囲の環境に関わり、興味を持ちながら発達していきます。そのため、周りの大人のしてくれることにとても敏感です。
そんな赤ちゃんの発達のきっかけを作ったり、手助けをしたりするのがおもちゃなのです。

6か月頃までの発達の特徴とオススメおもちゃ

【6か月ごろまでの発達の特徴】

・聴覚が優れており、自然で心地よい音を好む。(電子音より小さくてかわいい音)
・鼻先30㎝程度の物しか見えないため、赤ちゃんに見える距離から笑顔で優しく声をかけましょう。
・コントラストがはっきりとした色のおもちゃがオススメ(パステルカラーよりも原色)。
・近くにあるものを触ることができる(ここから、見る⇒触る⇒握ると手指が発達していきます)。

【6か月ごろまでのオススメおもちゃ】

・オーボールラトル/ラングスジャパン

赤ちゃんがはじめて出会うボールとしておすすめ。ところどころに空いた穴を指でひっかけると簡単に握れます。
かわいい音のするピースが付いているので、ラトル(がらがら)として、音を楽しむこともできます。
はじめは大人が目の前で動かしながら、ラトルの音を聞かせてあげてください。心地よい音に興味を示し、次第に手を伸ばすようになったらそっと渡してみましょう。
万が一、顔に当たってしまっても軽いので安心です。

6か月ごろまでのオススメおもちゃ

・第一恩物(六球)/フレーベル館

毛糸でできた球体です。ひもの部分を大人が持ち、手で押してゆっくり揺らしてみましょう。
また、手を伸ばすようになったらそっと上に持ち上げてみてください。赤ちゃんは大人の引っ張る動きに合わせて少し手が上がる感覚を感じとりながら、遊んでくれる大人との関係性を知っていきます。
もう少し慣れてきたら、赤ちゃんがひとりで遊ぶこともできます。やわらかいボールを握って感触を楽しんだり、ポンポンと叩く姿がみられるでしょう。
大きくなってからも、色や数の認識をするために使用したり、ままごとやいろいろな遊びに活用できますよ。

・ベビーボール/ネフ社

赤・黄色・青・オレンジ・緑5色の木のボールがひもについたカラフルなおもちゃです。
初めのうちは赤ちゃんの目の前で音を鳴らしながら見せてあげてください。音や動きに興味をもち、次第に手を伸ばすようになったらそっと渡してみましょう。
赤ちゃんの手にちょうど持ちやすい大きさのボールが5つついているので、それを手に取ってなめる、振るなどして遊ぶことができます。赤ちゃんがなめても害のない塗料を使用しているので安心して遊べますよ。

*   *   *

寝ている状態の赤ちゃんは、大人の働きかけによって身の回りにあるものと関わっていきます。上からつるすタイプのメリーなどもいいですね。風に揺れるメリーを赤ちゃんは不思議そうにみるようになりますよ。
また、時間に余裕があれば、今回ご紹介したおもちゃのように、関わりを持ちながら遊べるものを取り入れてみましょう。「ゆらゆらゆれてるよ」「カラカラいい音がするね」など、物の動きを言葉にして関わるといいですよ。

今回、ご紹介したおもちゃはほんの一部です。他にも魅力的なおもちゃがたくさんありますので、ぜひ調べてみてくださいね。

ママが「かわいい!素敵!遊んでみたい!」とインスピレーションを感じたおもちゃは、きっと赤ちゃんにもそのワクワクが伝わることと思います。

≪≪≪前回の記事「赤ちゃんへの言葉かけは『動きを言葉にする』ことがポイント!」

竹内 あゆみ
執筆者小田原短期大学 専任講師、保育士、おもちゃコンサルタント
竹内 あゆみ
保育者養成校で「乳児保育」「人間関係」の科目を担当しています。専門は、乳幼児の社会性の発達と遊びに関すること。海老名市の子育て支援センターでおもちゃの広場を開催中。インスタグラム【toy_consultant】で検索&フォローしてくださいね。

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