遊ぶ子どもたちと一緒に外遊びの世界に出かけよう!

遊びの主体は子どもたち。プレーワーカーの仕事は「自由な遊びを支えること」

2021.08.20

プレーパークでは、プレーワーカーが子どもたちの遊びを見守っています。その役割とはどんなことなのでしょうか?

遊びの主体は子どもたち。プレーワーカーの仕事は「自由な遊びを支えること」

皆さんこんにちは。新潟県長岡市で「蔵王の城プレーパーク」という遊び場づくりをしているおもちゃコンサルタントの星野洸太です。

外遊びの楽しさを伝える連載企画の第5弾。
今回は、子どもたちの遊びに関わるプレーワーカーとして、外遊びの中でプレーワーカーがどんな仕事をしているかをご紹介します。

プレーワーカーの仕事1:子どもの可能性を引き出す環境づくり

プレーパークが他の遊び場と違うところは
「自分の責任で自由に遊ぶ」
という考え方を大切にしていることです。

責任というと少し硬い言葉に聞こえるかもしれませんが、言い換えれば
「自分で遊びたいと思ったことを自由に選ぶ事ができる」
という意味と捉えると自然かもしれません。

子どもたちが「これをしたい」「あれをやってみたい」といった好奇心を発揮した時、その好奇心を満たす環境が必要になってきます。
そこでプレーワーカーは、子どもたちの興味や好奇心を満たす仕掛けを用意します。 例えば、スコップや雨どい、木材や木工道具など「やってみたい」を子どもたちが形にする道具を用意しています。

プレーワーカーは子どもたちが思いを形にするサポートをする事が仕事であり、道具を用意した後は、子どもたちがその道具をどんな風に扱うかを観察しています。

大切なことは、前にもお伝えしたように、遊びの主体は子どもであるということです。
道具を用意し、大人やプレーワーカーが子どもたちのやってみたいことをやってあげるのではなく、一定の距離で子どもたちの様子を観察し、子どもたちの可能性と遊び場としての可能性を引き出す役割をプレーワーカーは担っています。

プレーワーカーの仕事2:子どもの気持ちを受け止め、翻訳する

プレーパークに欠かせないことのひとつに、親や地域の人の理解があると思います。

プレーパークで子どもたちは、焚き火をしたり水を使ったり、時には泥んこになりながら遊んでいます。
子どもたちの自由な遊びを支えるためには、このように自由に遊ぶことを親や地域の人が認めてくれることが必要です。
時に、親や地域の人がプレーパークで「そんな遊びしたらダメだよ」「もっとこうしなさい」と子どもに言ってしまうことがあります。

そんな時、プレーワーカーは親や地域の人に対し、子どもにとっての遊びの重要性や子どもの気持ちを翻訳し、子どもの代弁者として伝えています。

「この遊びは子どもにとって、誰かと一緒に協力するチャンスなので、少し一緒に見守っていただけませんか」
「この子はきっと、頭の中でどうしたら良いのか必死に考えているので、もし分からなそうなら答えを伝えるのではなく、
“これを使ったらどうなるかな”
“それをするために必要な道具はあるかな”
と、お母さんも一緒に考えてあげて下さい」

と、子どもたちの創造性を最大限に引き出す役割を間接的に担います。

「自由な遊び」を支えるのがプレーワーカー

現代の遊びの多くは、解説本が出ていたりインターネットで調べれば大抵の答えを知ることが出来ます。また、子ども自身もその事を知っています。
そんな時代だからこそ、子どもが遊びの中でどうしたら良いかを考え、挑戦出来る場と機会が必要になってきます。

プレーワーカーは、子どもたちが自由に遊ぶことを支える役割を担っている大人です。
プレーパークには必ず、プレーワーカーがいます。
プレーパークに行った際は、プレーワーカーが今、子どもたちの遊びをどの様な視点で捉えているのか、また子どもたちにどの様な関わり方をしているのかを聞いてみて下さい。

子育て中の親御さんにとっては、子どもたちの遊びをどのように広げたらいいのか、また子どもが遊びの中で感じている事や遊びの重要性を知るきっかけになると思います。
そして保育者の皆さんにとっては、子どもたちが自由に遊ぶ環境を作るためのリスク管理や子どもへの関わり方や距離感を体験するきっかけになると思います。

プレーワーカーの視点は、我が子や園児たちの遊びを支え見守る時のヒントになるかもしれません。

*   *   *

次回はいよいよ最終回。私が実際に開いているプレーパークをご紹介します。

次回の記事はこちらから≫≫

≪≪≪前回の記事はこちらから

星野 洸太
執筆者プレーワーカー、おもちゃコンサルタント
星野 洸太
新潟県長岡市在住。大学院での研究のかたわら、長岡市でまちづくり・子育て支援活動に携わる。またプレーワーカーとして2021年4月に長岡市初となるプレーパーク「蔵王の城プレーパーク」の立ち上げを行い活動中。

子どもたちと一緒に外遊びの世界に出かけよう!

この連載の記事一覧へ

遊ぶ育む集まる2021.08.20