遊ぶ子どもたちと一緒に外遊びの世界に出かけよう!

目指すのは、インクルーシブ&SDGsに取り組むプレーパーク

2021.08.31

長岡市の「蔵王の城プレーパーク」は、どんな子どもも遊びに来られる場を目指しています。ヤギもいるんですよ!連載最終回。

目指すのは、インクルーシブ&SDGsに取り組むプレーパーク

皆さんこんにちは。新潟県長岡市で「蔵王の城プレーパーク」という遊び場づくりをしているおもちゃコンサルタントの星野洸太です。

外遊びの楽しさを伝える連載企画の最終章。
これまでたくさんの方々に記事を読んで頂き、ありがとうございました。
最終章では、私が2021年4月から始めた「蔵王の城プレーパーク」をご紹介致します。

きっかけは、今の子どもたちってどこで遊んでいるの?という疑問

普段、お子さんや園児たちは、園や学校が終わった後、どこで遊んでいますか?
私は昨年4月に、東京の大学を卒業し、大学院の進学を機に新潟県長岡市に来ました。
東京に比べると、自然豊かな地方ではきっと、子どもたちは家の近くの公園や自然の中で遊んでいると思っていました。

しかし、夕方になっても子どもたちの姿をあまり外で見かけることはありませんでした。
「もしかして、地方より都会の方が子どもたちは外で遊んでいるのではないか」
そんな疑問を持つ様になり、親御さんにお子さんたちの様子を伺うと、長岡市は児童館で放課後を過ごす子どもが多いことが分かりました。

せっかく自然が身近にある地域で、子ども時代を豊かに過ごして欲しい。
そんな思いから、市内のこども園の園長先生や地域の方々と一緒に、蔵王堂城というお城があった土地をお借りして、蔵王の城プレーパークはスタートしました。

インクルーシブ&SDGに取り組む遊び場

蔵王の城プレーパークでは、インクルーシブな遊び場を目指して、障がいを持つ子どもと障がいを持たない子どもが遊びを通じて交流する企画を考えています。

東京では、世田谷や池袋に障がいのある子どもも一緒に楽しめるインクルーシブ公園が開設されました。
公園内には、スロープが付いた遊具があったり、日差しが苦手な子どもでも遊べるスペースがあったりします。

従来、プレーパークはどんな子どもでも参加できるという暗黙のルールのようなものがありますが、あえて「障がいがある子どもも遊びに来て!一緒に遊ぼう」とした遊び場は少なかったように思います。

そこで、蔵王の城プレーパークは、まだまだ試行錯誤の段階ですが、障がいを持つ子どもでも遊びに来てもらえるよう、障がいの有無に関わらず遊べるような遊び道具を用意しています。
例えば、シャボン玉は作る楽しさだけでなく、見て楽しんだり、追いかけて楽しんだり、また飛んでいるシャボン玉を割って楽しんだりすることもできます。

そして、蔵王の城プレーパークでは、持続可能な開発目標として設定されているSDGsの視点を取り入れています。

例えば、「1.貧困をなくそう」という目標に対して、どのような状況にある子どもたちでも遊べるよう、プレーパークは無料で開かれた遊び場づくりを行なっていたり、
「11.住み続けられるまちづくりを」「12.つくる責任 つかう責任」という目標に対しては、日常で使わなくなったカラーコーンや木材を活用して遊び場づくりをしています。
中には地域の大工さんが、使わなくなったカーブミラーを再利用して、焚き火台を作ってくれたりしています。

子どもたちの自由な遊びを支えるために、地域の中にある資源が役立っています。

ヤギのいるプレーパーク

そして、蔵王の城プレーパークではヤギを飼っています。
長岡市の近くにある三条市というところの人からご縁を頂き、雪が降るまでヤギを飼っています。

子どもたちに餌をもらったり、散歩させてもらったりしながら、日々すくすく育っています。
動物がいることによって、子どもたちの遊びや子ども同士の交流も深まっています。

*   *   *

さて、これまで外遊びの楽しさを伝える連載をお読み頂き、ありがとうございました。

外遊びは、子どもたちにとって未知の世界であり、たくさんの人やものと出会える素敵な場所です。
そして親御さんや保育者さんにとっては、子どもたちの成長を感じられ、自分たちも新しい発見ができる場所です。

四季折々の外遊びを、思う存分楽しんでください。

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星野 洸太
執筆者プレーワーカー、おもちゃコンサルタント
星野 洸太
新潟県長岡市在住。大学院での研究のかたわら、長岡市でまちづくり・子育て支援活動に携わる。またプレーワーカーとして2021年4月に長岡市初となるプレーパーク「蔵王の城プレーパーク」の立ち上げを行い活動中。

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