遊ぶ【連載】わくわく遊んで大きくなるために おもちゃ屋さんの「あそび相談室」

相談10:「お片付けができるようになってほしい!」

2020.06.19

お片付けができないのは、やり方を知らないからかも?大人が見本を見せてあげましょう!おもちゃ屋さんのあそび相談室、第11回目。

相談10:「お片付けができるようになってほしい!」

「お片付け」…強敵であります。

「かたづけなさーい!」
「自分で出したものを片付けなさい!!」
「片付けなさいって言ってるでしょお!!!」
だんだん声が、荒ぶってきます。
が、
お片付けって、実はまずは「見せる」もの。

だって、子どもは何をどうすればいいのか知らないんだもの。
生まれてから3年とか4年目だったら、新人さん。
20年以上も暮らしを体験してきた大人とは違います。
だから、
「お片付けしなさい」ってただ言葉で指示したって、やりません。
というか、できません。
じゃあ、大人はどうしたらいいのでしょう。

知らないなら、「片付けとはどんなものか」を見せてやればいいのです。
実際に自分の目で見ることが、何でもいちばん分かりやすいですものね。
(もちろんこれは、もう小学生でも中学生でも同じこと。最初からきちんとやり方を見せてあげます。)

その際「どんなふうにやるのか」をしっかり伝えるには、言葉もあったほうがいい。
自分の見ているものに解説がつくと、とても分かりやすいからです。
「使ったものを元のところに戻そうね」と言いながら、それがあった場所に戻す。
「これはどのおもちゃの仲間だっけ…」と言いながら、おもちゃのセットを揃える。
そんなふうに。

はじめはその姿を見せるだけで十分で、親がやってしまうのがいちばん楽です。
あっという間に終わるし、怒らなくて済むし、怒られなくて済む。
でもノリそうな雰囲気だったら「これどこにあったか知ってる?」とか少しずつ子どもを巻き込んでみてもいいですね。
そして最後に、
「ああ、部屋がきれいになった、すっきりしたね、気持ちいいね。」なんて、お片付けをすることによる「いいこと」まで伝えられたらいい。

「お片付けが習慣になるように」という願いは親としてあたりまえのことですが、小さい子に「言ってきかせて」「やらせる」ことに効果はありません。
大人が片付けをする姿を日常的にどれだけ見せているか、
そしてそれを どんなふうにやっているか、
それが大事です。

「どんなふうに」 というのは、例えば
嫌そうに、文句を言いながら、いかにもやってあげてる風に片付けているか、
または
ご飯だから片付けるよ〜って、さっさっと大人から動いて片付けているか、
とか、そういうこと。

誰が使ったものでも、大人が部屋を整える姿が日頃からあれば、それは子どもにとっても「あたりまえのこと」になります。
大人がその姿を見せずに「やりなさい」だけ言っていたら、お片付けは「やらなきゃいけないイヤなこと」になるかもしれません。

「なんでお母さんがやらなきゃいけないの」「自分で出したんでしょ」って大人が言っていたら、
同じように子どもの口からも「私じゃないもん」「なんで私が」が出てきます。

「お片付け = 面倒くさい。怒られる。イヤ。」になるのは、すぐそばで一緒に暮らす見本(大人)次第なのでしょうね。

ま、写真のような片づけ?遊び?をしていた人の親ですから自分の首を絞めるようでもありますが、まわりの大人の姿を子どもは見て、そして「まねて」「学ぶ」ということです。

大人は暮らしの「見本」ですね。
でもこれが「育てる」ということなのでしょう、がんばりましょうー。

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髙橋 美樹
執筆者おもちゃ店店主、おもちゃコンサルタント
髙橋 美樹
群馬県桐生市、木のおもちゃの専門店(とレンタルスペース)「かばんねこ」店主。https://kabanneko.com はじめての子育てでがんばりすぎていたときに、美しいおもちゃたちに出会って開眼。遊びや暮らしを通じて、子どもが自分でわくわくと育っていく姿を尊敬しています。 趣味は読書。子どもにちょっかいを出すこと。

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