大人にこそ、遊びの楽しさを伝えたい― おもちゃ学芸員ファイル02 渕上徹さん
2023.04.16
福岡おもちゃ美術館のおもちゃ学芸員に迫る連載第2回。渕上徹さんに、好きなおもちゃのこと、心がけていることや野望(!)をインタビューしました。
みなさんこんにちは。またお会いできてうれしいです、スタッフの岡です。
前回のおもちゃ学芸員中原さんのお話はいかがでしたでしょうか?
good usみました!とお声がけしてくださる人がいて私もネム太郎も大喜びです。
福岡おもちゃ美術館にはまだまだ魅力的なおもちゃ学芸員さんがたくさんいるので
今回も紹介させてください。今回はどんな人におはなしが聞けるでしょうか、おたのしみに。
この記事をみて、あなたもコアな福岡おもちゃ美術館ファンになってくださいね°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
この子はおもちゃ学芸員さんにインタビューしてくれる、年輪がチャーミングな木の妖精「ネム太郎」。(福岡おもちゃ美術館非公式キャラクターです)
福岡おもちゃ美術館のおもちゃ学芸員さんに、根掘り葉掘りインタビューをしてくれます。
ネム太郎と一緒に、おもちゃ学芸員さんとの距離を縮めよう!
目次
子どもだけでなく大人も楽しませる遊びの案内人 渕上 徹さん
ネム太郎(以下、ネ)
今日も福岡おもちゃ美術館には、子どもたちの笑い声やおもちゃの音が響いているなあ。誰かがトイピアノを弾いている音がする。
そういえば、今日はピアノが上手なおもちゃ学芸員さんが来てるんだった、今回はその人にお話聞いてみよう!
ネ)
渕上(ふちがみ)さ~ん!
ネ)
(福岡おもちゃ美術館で大人気の「ひっつきむし」を捕まえる遊びをしてるな..。)
ネ)
今回は渕上徹さんにいろいろおはなしを聞いていくよ。よろしくおねがいしまーす
!
渕上さん(以下、渕)
よろしく、寝る太郎!
ネ)
ネム太郎だよ。今回も事前にスタッフから渕上さんについての印象を聞いてきたんだ。
「真面目そう」とか「穏やか」、「知性を感じる」、「発想が柔軟」って印象をもっているみたい!
渕)
そうそう、なんでかわからないけど真面目にみられることが多いんだよね。
いたずらもしたいしあそぶのも好きなんだけど(笑)ここではまだいたずらしてないですよ!
ネ)
真顔で僕にいたずらしながら言われても。
真面目に見えて、結構おちゃめですよね渕上さんって。
ネ)
ネム的にはノリが良い博識な人!ってイメージなんだけど、そういえば、ここで会う前や普段はどんなことをしているのか知らないなあ。以前はどんなことをしていたの?
渕)
定年退職後はぷー太郎(笑)
退職前の仕事は半導体工場でエンジニアをしていました。
ネ)
真面目っぽい!
渕)
「っぽい」じゃなくて、真面目やろ!
渕)
三十何年半導体のエンジニアをやっていて、2021年の9月に退職したんだよね。
ネ)
2022年4月の福岡おもちゃ美術館がオープンする直前に退職したんだね。
どうして「おもちゃ学芸員」になろうとおもったの?
渕)
最初は「おもちゃ学芸員」って肩書に憧れて応募したんだったかな。博物館とかどこでもよかったからボランティアをしたかったっていうのもある。
やっぱり2年前はコロナの真っ最中で、ボランティアの募集があまりなかった。
そんな中でも、福岡市科学館と福岡おもちゃ美術館とサッカーのアビスパが募集してたから、3つ応募して3つとも現在もボランティアとして活動しているよ。
ネ)
3つも、忙しいですね…!
渕)
そんなことないよ、どこも月1とか週1とかシーズンオフの期間もあるからうまく調整して活動できているんだよね。
パパ・ママや若い人を楽しませたい
ネ)
いままで渕上さんがおもちゃ学芸員として活動してきて、福岡おもちゃ美術館で一番好きな場所はどこですか?
渕)
「おもちゃのもり」かなあ。特に「ひっつきむし」のおもちゃが好きやね。
お客さん全員に絶対やらせる!あれをやらないとおもちゃのもりから帰さないぐらいの気持ち。あれはおもしろいねえ。
木に虫がいるなんて気づいてない人もいるから意外性がある。教えると子どもも大人もびっくりしておもしろい。
ネ)
たしかに!おもちゃのもりでひっつきむしをとってみせると「かわいい~!」とか「キャ~~」とか、いい反応をもらえることが多いよね。
渕)
あと僕は子どもたちから怖がられるほうなんだけど、ひっつきむしでちょっと遊ぶと懐いてくれて、手を引っ張ってくれたことが2回くらいあったかな。
その時は子どもが可愛すぎて、孫ができたかと思って泣きそうになったね。
ネ)
いいなー。そんな子どもたちと触れ合えると、活動が楽しみになるね。
渕)
そうだね。でも、子どもに怖がられるかもしれないということもあって、僕はどちらかというと若い人とか大人をたのしませようと思って活動してるかな。
他のおもちゃ学芸員さんたちは子ども中心に、僕より上手に接してくれるから、僕は違う方向で、一緒に来た親や若いカップルをどう楽しませようかなとワクワクしています(笑)
ネ)
へ~!科学館はここより大きいお友達の利用が多いから、そことも共通点があるのかな?
渕)
そうだね!科学館でも一緒。科学館は小学生ぐらいの子がお客さんになるけど、一緒に来た大人に関心持ってもらえるようなことを考えて説明しているかな。
相手に合わせてどんな話をするかの加減とかって難しいから、そこを極めようと思っているよ。
そういえばこの間も若い二人組がきたでしょ?
ネ)
あ、ベトナムから留学できていた若い男の子が2人、遊びに来ていたね!
渕)
若い人だけで来た時って、まわりに子どもが多いから「自分たちが遊んでいいのかな」って委縮してたり、どうやって遊んでいいか聞きにくかったりするんだけど、そういう人たちにこそ楽しんでもらいたくて、この間は館内を説明したり一緒に遊んだんだ。
だんだん打ち解けて笑顔が見えるとやっぱりうれしいよね。
渕上さんの密かな野望は、FTM48?!
ネ)
渕上さんがおもちゃ学芸員になって気づいたことってありますか?
渕)
遊ぶのが好きなんだなあと気づいた。あと、スポーツもそうだけど1対1より団体競技が好き。ってことに気づいたかな。
大人数でイベントがしたい!
ネ)
そういえばジャズのビックバンドでピアノやっているんでしたね。
渕)
大学時代のサークルの先輩がバンドマスターをしている所に9年くらい入れてもらっていて、その前も1990年代くらいから趣味でちょっとやっていたりしたから、まあまあ長いかなあ。
ネ)
すごい、ずっと続いてる趣味があるって素敵ですね。
渕)
そして僕には野望があるんだ。
ネ)
や、野望…。(ぼくからインタビュアーの座を奪うとか・・・?)
渕)
福岡おもちゃ美術館で音楽会をしたい!
トイピアノやパットベルみたいな楽器になるおもちゃもあるからね。
スタッフやおもちゃ学芸員でバンドを組んでFTM(Fukuoka Toy Museum)48つくってやろうかな、と(笑)
ネ)
歌って踊りそうな名前(笑)
渕)
センター、ネム太郎!
ネ)
いやだーーー!
渕)
うそうそ。
ネ)
でも実現したらすっごく楽しそう。歌が上手なおもちゃ学芸員さん知っているので色んな人誘って練習して、お客さんにも参加してもらってみんなで楽しめたらいいですね。野望叶えたいですね!
福岡おもちゃ美術館でなら、楽しみながら人のために何かできると思える
ネ)
では最後に、渕上さんにとっての福岡おもちゃ美術館とはなんですか?
渕)
やっぱたのしみやね、来るのが。おおげさにいったら生きがい!
おもちゃ学芸員として活動する、火曜日の生きがい(笑)
退職していろいろ好きなことやらせてもらっているけど、おおげさにいうとボランティアとして、人類に貢献したいという気持ちがあるんだよね。
ネ)
人類はでかいですね。
渕)
科学館にいて宇宙のこと考えたら、人間なんて本当にちっぽけなんだけど、福岡おもちゃ美術館にきたら、人を身近に感じて「もっと他の人のためになんかやれるんじゃないかな」って思える。いい場所だと思う。
・・・うまく言葉にできんね、なんていったらいいとかいな(笑)
でも、ここでいかんのは、それを忘れて遊んじゃうんだよね。
活動中「できたー!」とか「負けたー!」とか言って遊んで、帰り道に「ボランティアで活動してるんだから・・・」って反省する(笑)
ネ)
渕上さんがいつも楽しんで活動してるのが伝わってくる(笑)
じゃあ最後に、福岡おもちゃ美術館に遊びに来る人にひとことお願いします!
渕)
たのしいよ。
やけど、これだと本当に一言やもんね(笑)
・・・僕と遊ぼう!
* * *
第2回目は、渕上 徹さんに色々お話を伺いました。
今回のインタビューで、どんな風に考えて活動をしているのか、他のボランティアをやっているからこそ気づいたことなどが聞けて、また一歩、渕上さんについて知ることができました。
インタビューの後、渕上さんがトイピアノできらきら星を演奏していたところ、音色に惹かれてきた女の子がやってきて一緒に演奏していました。
そんな渕上さんのこの記事での非公開写真を、福岡おもちゃ美術館公式インスタグラムに公開!こちらもぜひ一緒にご覧ください♬
福岡おもちゃ美術館のイベント情報や最新の様子も載せていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
福岡おもちゃ美術館で渕上 徹さんと一緒にお待ちしています!
福岡おもちゃ美術館 おもちゃ学芸員ファイル
遊ぶ知る集まる2023.04.16