遊ぶ【連載】グッド・トイの秘密を見に行こう!

心ときめくスポーツトイを広めたい! ラングスジャパンの「プラズマカー」(後編)

2019.10.04

ラングスジャパン・小林社長へのインタビュー後編です。専業主婦からスポーツトイ輸入販売会社社長へ!転機となった出来事とは?

心ときめくスポーツトイを広めたい! ラングスジャパンの「プラズマカー」(後編)

株式会社ラングスジャパンの代表取締役社長、小林美紀さんへのインタビューです。

前編では2010年のグッド・トイ「プラズマカー」のおすすめポイントや、商品とどのように出会ったのかを中心に伺いました。
後編では、更に深堀り!小林社長がスポーツトイの輸入販売を始めたきっかけなどをうかがっていきます。

現在のお仕事に就かれるようになったきっかけを教えてください。

小林社長:

きっかけはブーメランでした。夫が新聞の端の方に取り上げられている“ハイテクブーメラン”というのを見つけて切り取っておいたんです。それを私に見せてくれたのがきっかけです。1987年の頃の話です。

なぜブーメランなのでしょうか? もうその頃には、スポーツトイの販売、輸入をされていたのですか?

小林社長:

いいえ、全く(笑)。私は3人の子どもを持つ専業主婦で、夫は大学病院の産婦人科の医者でした。もっと学びたくてアメリカ留学を希望していました。私も海外への同行はとても楽しみでした。
ところが病院の事情で急遽アメリカ行きが能登行きへ変わってしまったのです。がっかりしましたが、順応性はあるので、すぐ気持ちを切り替え自然を楽しもうと思いました。
それでブーメランの記事を見つけた夫が私に見せてくれて、「ハイテク」という言葉に惹かれて、取り寄せをしたのです。オーストラリアのラングス社からです。
その頃、日本にあったブーメランは駄菓子屋にあるようなものだけで、確実に戻ってくるものではありませんでした。一方、ハイテクというだけありラングスのブーメランは確実に戻ってきました。私は本格的に大人が遊べるブーメランを手にして、「広めたい!」と心が踊ったのです。
その後、販路を夫と開拓していき、着実に売上も上げていきました。住まいも能登から東京へと移しました。今でも、「あー、アメリカで暮らしたかったなぁ。」と時折思い出しますが(笑)。

それがスポーツトイを販売するきっかけになったんですね。当時から、これだけの沢山の商品を扱う会社にしたいと思っていらっしゃったのでしょうか?

小林社長:

自分の可能性を活かして何かをしたいとは思っていましたが、たまたまそれがブーメランだったのだと思います。
忘れもしません。ハイテクブーメランを販売するようになって、アウトドア雑誌の『B-PAL』に紹介された日のことを。その頃は今のように事務所を別に構えていませんでしたので、いわゆるキッチンカンパニーでした。問い合わせが殺到して家の電話が鳴りやまないのです。私はキッチンのテーブルの下に隠れて「無理!私こんなことできない」と言いました。それに対して夫が言ってくれたのです。「大丈夫。あなたならできる」と。
私が「無理、できない」を言ったのは、後にも先にこの時だけです。今ではすごくポジティブに物事を考えるようになりました。

自社製品も多く販売されていますよね? そのことについて教えてください。また、外国の商品を販売するときの工夫などありますか?

小林社長:

自社製品の販売は2009年から始めました。ここに行きつくまでに大分と時間を要しましたね。沢山の商品を見てきたので、もっとこういう風にしたら良い商品になる。もっと皆さんにお手頃な価格で手に取ってもらえることができる。というのが瞬時にわかるようになりました。日本人に合う大きさに変える。日本人の色彩感覚にフィットするように変える、日本人の生活スタイルに合わせる等、工夫をして商品を作るのです。
今、半分くらいが自社の製品です。その根底は“思いやり”の気持ちです。ハッピーを共有して欲しいと思っています。
ロングセラーのスポーツトイ“ゾインゴボインゴ”というのがあるのですが、これは名前を聞いただけでは、何のおもちゃか分からない。それでそのおもちゃ名の横に「バランスボール+ホッピング」と付けたんです。すぐにイメージがしやすいように。これも「思いやり」から来たアイディアです。

* * * * * *

小林社長のお話の中では「固定概念を捨てる」「不可能なことはない」「良いものは変わらない」と前向きな言葉が聞かれました。その精神はそのまま、ラングスジャパンさんの社風になっているように感じました。

販売している商品は常に、ご自身はもちろん、社員の方も巻き込んで“遊ぶ”ということをしているそうです。小林社長ご自身に「寸暇を惜しんで今を楽しむ。」という精神が根底にあるように思いました。
小林代表取締役社長、ラングスジャパンのスタッフの方々どうもありがとうございました。大人も子どもも遊びたくなるようなラングスジャパンさんのおもちゃにこれからも注目していこうと思います。

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橋本 光子
執筆者おもちゃコンサルタント、グッド・トイ選考運営委員会 副委員長
橋本 光子
公民館で社会教育指導員として、赤ちゃんから高齢者までの社会教育を日々、企画、運営、進行しています。また、グッド・トイの選考に携わり、1人でも多くのおもちゃコンサルタントが選考に参加できるような仕組みを考えています。

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