遊ぶ【連載】わくわく遊んで大きくなるために おもちゃ屋さんの「あそび相談室」
相談3:「遊び方がわからない子どもには、どうする?」
2019.11.15
大人が子どもに「あそびのヒント」を出すってどういうこと?おもちゃ屋さんのあそび相談室第4回目。
前回、「積み木で遊ばないんです!」へのかばんねこの答えは「多すぎない?」ということでした。
積み木は大抵50個とかのセットで売られていますから、そのままどどーんと子どもに与えるかたがほとんどだと思います。でもじつはその数は、1才さんとか小さい子の最初の積み木にしては、多すぎるかもしれません。
だから、はじめは4個とか8個とか少ない数から始め、使い切ったなと思ったら別の形を何個か足す、また使い切ったら足す…、そんなふうにして、数を増やしていけば大丈夫ですよ!詳しくは、前回の記事も参考にしてくださいね。
そして今回は、「それでも遊ばないけど!?」の場合。
少ない数でもぜんぜん遊んでくれないなあというときは、ヒントを出してみることをおすすめします。
そのヒントとは…、
「大人が遊ぶ姿!」です。
子どもが遊んでいるそばで、自分が積み木で遊んでみる。
大人自身こそが、率先して遊ぶんです。
何十年ぶりかもしれませんが、遊んでみれば、こんなことができる、あんなこともできる…、知っているはずの積み木を改めて面白く思えると思いますよ。
そして、大人だってなにかを工夫してうまくいったら、それが積み木でもやっぱりうれしくなるのです。
そしてきっと、「ねえねえ積み木でこんなのができたよー」って、得意げに子どもに見せるでしょう。
「積み木は良い」「積み木は楽しい」は、もう既に「積み木のことを知っていて、あたりまえ」になっている大人だけの感覚です。与えられる子どものほうには、そんなのはぜんぜんありません。
初めて出会うんだもの、なんだこれ?っていう反応が当然です。
だから、こうしてごらんああしてごらんって大人ぶって教えるんじゃなくて、自分が面白がって遊んでみるの。
それだけです^^
そうしたらね、子どもはやっぱり気になるんです。
人がやっていることは、気になります。とくに大好きな家族なら、子どもは絶対に見ます^^
そしたら、わたしもやるーって、一緒にやってみるかもしれません。
そのときはやらなくても、あとでやってみるかもしれません。
子どもは、意外にちゃんと見ていますから。
何日があとにふと気づくと、まねっこのあとが残されていることがありますよ。
だから、すぐすぐの効果が気になるけれど、まあ気長に待ちましょう^^
かばんねこの店では、1歳さんとかのちびさんにひとつ積み木を渡して、もうひとつ渡して、どうするかなあ…って見ていると、いろんなことが起こります。
1個を放してもうひとつのほうをいっしょうけんめい触ったりなめたりする子。
はい、って親に渡したりする子もいる。
床に置く子。
ぱっと手を放して落とす子。
積んでみる子…。
でも、積み木を渡しても、「どうしたらいいのかなあ」みたいにぼんやりしていたら、わたしから、自分が持っている2つの積み木をカンカンと打ち鳴らしてみたりします。
そうすると「わお、そんな楽しいことが!」みたいな感じでまねっこしてカンカンして、ニコニコうれしそう!
ママやパパも、「そんなことができるんだ!」ってみんなでハッとして、わっとハッピーになっちゃう。
そんなふうに、ひとつのヒントでとっかかりができると、遊び始められることがあるのです。
それに、「積み木を積む」というヒントをもらったとしても、その先は子どもによってぜんぜん違いますよ。
ある子は「もうひとつ積む」という自分のその先の遊びを生み出します。
また別の子は「となりにもうひとつ同じものをつくる」という自分のその先の遊びを生み出します。
遊びのヒントを与えること、そしてそれを子どもがまねすることは、悪いことではありません。
まねっこのその先に、かならずその子のオリジナルのあそびが生まれるからです。
だから、遊ばないなあと思うおもちゃがあったら、大人が遊んでみましょう。
とりあえず自分が面白がってやってみて、そのヒントを壊さずに残しておいたりしましょう。
その時はやらなくても、焦らなくて大丈夫。やらせなくて大丈夫。じきに、ちいさな芽がでてきますよ。
だから気長に気長に、あそびの種を蒔き続けてほしいです^^
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【連載】わくわく遊んで大きくなるために おもちゃ屋さんの「あそび相談室」
遊ぶ育む知る2019.11.15