遊ぶ【連載】季節を楽しむ、日本の色いろ

2月[如月・FEBRUARY]/ハートモビールをつくろう!

2020.01.17

春が近づいているけれど、まだまだ寒い2月。暖かい部屋の中でこんなかわいい工作をしてみませんか?連載最終回!

2月[如月・FEBRUARY]/ハートモビールをつくろう!

◇ 節分の鬼

“鬼は〜外、福は〜内!”この掛け声と共に福豆をまく、2月3日は節分の日です。邪気を払い、皆の幸福や健康を願う行事です。追い出された鬼たちは、どこへ行くのでしょう?

山形県の民話に『節分の鬼』という話があります。
「家族に先立たれひとりぼっちで過ごしていたおじいさん、お墓参りからの帰り、悲しい気持ちで歩いていると『鬼は〜外!福は〜内!』の声が聞こえてきます。
節分の夜だったと気づいたおじいさん、家についてからひとりで豆まきをはじめます。福の神に見放されていると思っているおじいさんは『鬼は〜内!福は〜外!』とあべこべに叫びます。
しばらくすると、節分の豆に追われた鬼たちが次々に家にやってきました!お客さんが来たのは何年ぶりか。鬼たちはあたたかさに喜んで宴会がはじまります。朝になると鬼たちは上機嫌で帰っていきました。
鬼たちが残したお金でお墓を直し、おじいさんはもう少し長生きすることにしました。『来年の節分にも鬼たちを呼ぶ約束をしただでなぁ』と」。
生き甲斐をみつけたおじいさんが、幸せな気持ちを取り戻すお話です。

◇ ハートを贈ろう・2月14日

2月14日は『バレンタイン・デー』。
日本では好きな相手にチョコレートを贈る日として親しまれています。カードを贈り合うことが盛んな海外では、クリスマス・カードの次にバレンタイン・カードの交換が多いとか。それは、愛の告白だけではなく、家族や友達にもカードやプレゼントを贈るからだそうです。
いっぱいのハートに想いをのせて贈ってくださいね。

◇ 2月にちなんだ日本の伝統色

鶯色[ウグイスイロ]

深い黄緑。鶯の羽のような色。
2月は梅の花が咲く季節。“梅に鶯”の組み合わせは、着物の柄などの花鳥文様にも使われている。
鶯は警戒心が強く臆病なので、滅多に姿は現さないそう。メジロが鶯だと誤解されていることも多いとか。

紅梅色[コウバイイロ]

明るい紅赤色。
空に向って枝を伸ばす梅は高貴な花としても愛されてきた。2月の別名に“梅見月”という呼び方もある。
梅の実は身体に良いとされているが、木になったばかりの青梅は毒性の強い種を飲み込んでしまう可能性があるので、食べるのは避ける。

卵色・玉子色[タマゴイロ]

明るい黄色。卵を溶いたような色。
春の気配を感じた鶏が卵を産み始める季節だったのが、七十二候「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」の頃。本来卵の旬は2月から4月だったそう。

◇ 2月の工作・ハートモビールを作ろう!

紙コップの気球とハートの飾りを組み合わせて、待ち遠しい春を待つハートモビールを手作りしましょう!
紅梅色をハートのピンクに見立て、鶯色や卵色は気球に盛り込んでみました。 風が吹くとくるくるとよく回ります。
小さなお子さんと制作される場合は、おうちの方がサポートしながら一緒に作業してあげてくださいね。

材料

・ 色画用紙(B4サイズ) ピンク・赤 各1枚

・モール(15cm位) 色違いで4本

・紙コップ(70mlくらい) 1個

・ 鈴 1個

・ お好みのビーズ 5、6個

・ ひも 50cm程度(ここでは太めのレース糸を使いました)

 

・ 丸シール 適量

道具

・はさみ

・えんぴつ

・スティックのり

・目打ち

作り方

1.ハート型の飾りから作る。B4サイズの色画用紙の長辺を4等分に折り、4分の1をカットする。ここでは4分の1サイズの紙だけを使う(①)。
そこから大体9cm位の四角い紙をそれぞれ2枚ずつ切り出す(②)。
切った四角い紙を折りやすい方向に半分に折ってハートの半分の形を書き、カットする(③)。
カットしたものを型紙にして、残りの3枚も同じようにカットする(④)。

2.半分に折ったところにのりづけし、貼り合わせていく。最後は貼り合わせないでおく(⑤)。
ひもの端に鈴を通し、かた結びを2回くりかえす(⑥)。
しっかり結べたらビーズを通す(⑦)。
⑤で作ってまだ貼り合わせていないハート型の中心に、今作ったひものパーツを置いて、のりづけして貼り合わせる(⑧)。

3.紙コップの気球を作る。紙コップの飲み口の下に、8カ所目打ちで穴を開ける(⑨)。
ひとつの穴にモールの先端を少しだけ通し、飲み口で止まるように折り曲げる(⑩)。
対角線の向こう側の穴に、もう片方のモールの先端を通す(⑪)。
先程と同じように先端を曲げる(⑫)。

4.もう1本のモールを十字に交差するように通す(⑬)。
残りの2本のモールも同じように通す(⑭)。

5.2で完成したハートの飾りの糸にビーズを通す。完成した気球の底に穴を1つ開け、糸を底から通す(⑮)。
気球のモールの中心から引き出し(⑯)、モール4本をまとめるように、糸をぐるり1周させてしっかり引いて止める(⑰)。

6.ハートの飾り部分にイラストやメッセージを描いたり、紙コップにシールを貼って飾り付ける(⑱)。
気球のモールの上から出ている糸にもビーズを通す(⑲)。
糸の長さを調整したら、完成!

・ハートの飾りは二つ折りの紙に貼付ければ、ポップアップ風のカードが作れます。(見本はハート型の紙3枚を使用しました。)
・気球の紙コップは、穴を対角線で2つだけ開けてモールを通せば、小さなバッグになります。豆まき用のバッグとして、ひなまつりにはあられ入れとして使えます

1年にわたり、季節の色と工作をご紹介させていただきました。私自身も毎月とても楽しい経験をさせていただきました。
少しでもほんわりとした気持ちになっていただけていたら嬉しいです。
読んでくださって、本当にありがとうございます。また、どこかでお会いできますように!

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遠藤 祐子
執筆者グラフィックデザイナー、フェルトワーク作家、おもちゃコンサルタントマスター
遠藤 祐子
「あそまめ創作教室」を主宰。子どもから大人までを対象に、絵画・造形の楽しさを伝える講師としても活動。

【連載】季節を楽しむ、日本の色いろ

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