遊ぶ【連載】季節を楽しむ、日本の色いろ

1月[睦月・JANUARY]/ぽんぽん鏡もちをつくろう!

2019.12.13

お正月飾りを手作りしてみませんか?毛糸とモールを使った、ぽんぽんみたいなかわいい鏡もちです!連載第11回。

1月[睦月・JANUARY]/ぽんぽん鏡もちをつくろう!

◇ 縁起物の赤い実

お正月の花飾りとして使われる赤い実のつく木。
「縁起木」とも呼ばれ、千両・万両・南天など、似たものが色々あります。この見分け方はご存じですか?
千両は葉の上に固まって赤い実がつき、万両は実が重たいので下に垂れ下がってつきます。南天の実はブドウの房のように実ります。
生薬でもある南天は『難を転ずる=難転』から縁起ものの木としても親しまれています。この他に、一両、十両、百両などもあるそうです。
寒い冬になると、これらの赤い実をついばみにくる小鳥たちも可愛らしいものです。

◇ 縁起物の伝統文様

生活の中にも使われているさまざまな文様。季節に応じて使い分けされたりしますが、文様ごとにさまざまな意味があります。
お正月によく目にする「市松模様」は上下左右、途切れることなくつながっていく柄であることから、「子孫繁栄」や「事業拡大」など、縁起の良い文様のひとつとされています。
名前の由来は、「市松」という江戸時代の歌舞伎役者さんがこの模様の衣装を用いたことからだそうです。模様の名前として定着するなんて、きっと人気の役者さんだったに違いないですね!

◇ 1月にちなんだ日本の伝統色

白[シロ]

すべての光を反射する色。日本の色名でも最も古いもののひとつ。
「白」は神事にも使われる特別で神聖な色。“始まり”を意味する白と“喜び”を意味する赤(紅)との配色は、慶事に使用され、お正月カラーでもある。

橙色[ダイダイイロ]

鮮やかな黄赤。親しみを感じる温かな色でもある。色名は果物の橙の実から由来している。
橙は熟しても実が落ちにくく、収穫しなければ同じ木に何度も実をつけることから“代々”の名がついた。その様子から子孫が何代も続き栄える縁起物として、お正月の飾りにも使われるようになった。鏡もちの上に乗っているのも橙。

松葉色[マツバイロ]

深い緑色。松の葉のような色。寒い冬でも葉が落ちない松は、長寿や不老をイメージする縁起の良い植物で、お正月には門松として使われている。子どもたちには“松葉相撲”も楽しいあそびのひとつ。

◇ 1月の工作・ぽんぽん鏡もちを作ろう!

ふわふわとかわいらしい鏡もち。縁起物のお正月飾りを手作りしましょう!小さなお子さんと制作される場合は、おうちの方がサポートしながら一緒に作業してあげてくださいね。

材料

・ 毛糸 白1玉、赤40cmくらい(赤はひもなどでも可)

・モール(18cm位) オレンジ・緑 各1本

・ 段ボール(約15cm×5.5cm) 1枚 ※カッターでコの字型に切れ込みを入れる。

道具

・はさみ

・えんぴつ

作り方

1.ぽんぽんを作るための段ボールに白の毛糸を80回巻く。
巻けたら25cm位にカットしたの白の毛糸をひもにし、中心を結ぶ。結び方はコの字型のすきまからひもを通し(①)、1回かた結びをする(②)。
段ボールをひっくり返し裏にしたら表のひもを後ろに回すように通す(③)。
かた結びをしっかり2回繰り返し、段ボールの台から静かに外す(④)。
同じ方法で70回巻きをもう1つ作る。
※段ボールでも手を切ることがありますので、ていねいに扱うようにしてください。

2.完成したぽんぽんのもと(⑤)。輪になっている部分をカットしていく(⑥)。
※ここでは見やすいように水色の糸を使っています。

3.カットしたものは横からみると楕円形になっている。赤い点線が結んだ中心部分(⑦)。鏡もちのような形に整え、はみだした毛糸はカットする。

4.飾りになる橙を作る。オレンジのモールをえんぴつにぐるぐると1本最後まで巻き付けてバネ状にしていく(⑧)。
バネ状になったら輪になるように開いていき、端と端の部分をからめて橙のような形にまとめる(⑨)。
緑のモールの片方の端を葉のような形にする(⑩)。
葉の部分を90度に曲げ、橙に見立てたモールの中心から挿す(⑪)。

5.形を整えた70回巻きのぽんぽんの中心に、4で作ったモールを挿す。このとき、ぽんぽんを結んだ中心(赤の点線部分)を挿さないように注意する(⑫)。
橙とぽんぽんがくっつくようにずらしたら、80回巻きのぽんぽんも同じように挿す。

6.80回巻きのぽんぽんの下から緑のモールが突き出たら、鏡もちが立つように平たくモールをまとめる(⑬)。
2つのぽんぽんの間に、赤の毛糸でちょうちょ結びしリボンに見立てる(⑭)。形を整えたら完成!

・鏡もちを飾る台座ですが、ここではシートフェルトを使いました。紅白を10cm四方にカットしています。色画用紙や折り紙などでも代用できます。
・毛糸を巻く段ボールのサイズを変えれば、大きいものも作れます。
・ ここで使用した毛糸の太さは極太です。

鏡もちも日本の文化を伝える大切な縁起物です。お正月飾りのひとつとして、楽しくおしゃべりしながら、手作りしてみてくださいね。

すてきな新年をお迎えくださいませ。

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遠藤 祐子
執筆者グラフィックデザイナー、フェルトワーク作家、おもちゃコンサルタントマスター
遠藤 祐子
「あそまめ創作教室」を主宰。子どもから大人までを対象に、絵画・造形の楽しさを伝える講師としても活動。

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