遊ぶ子どもたちと一緒に外遊びの世界に出かけよう!

一人ひとりの「遊びの入り口」を探す〜プレーワーカーとして大切にしていること1〜

2021.07.09

子どもがなかなか遊びに入らないときには、「遊びの入り口」を探してみませんか?プレーワーカーが語る連載第2回目。

一人ひとりの「遊びの入り口」を探す〜プレーワーカーとして大切にしていること1〜

こんにちは。新潟県長岡市で「蔵王の城プレーパーク」という外遊びの場づくりをしている星野洸太です。

皆さんは「プレーワーカー」という人を知っていますか?

プレーワーカーとは、プレーリーダーとも言い、プレーパークには欠かせない存在です。
よく「たくさんの遊びを知っていて、遊びを教えてくれるすごい人!!」 なんて言われます。
たしかにたくさんの遊びや遊び方を知っているプレーワーカーもいます。

しかし私は、プレーワーカーとは子どもたちが自由に遊ぶことができるために
「遊びの環境をつくること」
「人と遊びの関係性をつくること」
を役割としている人だと思っています。

日本ではまだ馴染みはあまりないかもしれませんが、海外では専門職になっている国もあります。例えばイギリスでは国家資格となっており、児童福祉や災害現場などで活躍しています。

そんな私“プレーワーカー”が、子どもたちの遊びに関わる際に、どのような視点で活動しているかを紹介していきます。

「遊びの入り口を探すこと」

「子どもたちに楽しい経験をさせてあげたい!!」
そんな親心から、子どもたちを公園や子育て施設に連れていった時に、お子さんが“人見知り”や“場所見知り”をしてしまった経験はありませんか?

私はプレーパークだけでなく、室内の遊び場である「おもちゃの広場」も開催していますが、子どもたちのそんな姿をよく目にします。

そんな時、私が大切にしていることは、その子の「遊びの入り口を探すこと」です。
「遊びの入り口を探す」とは、子どもたちが遊びの世界に入る接点を探すということです。

例えば、私がおもちゃの広場を開催するときは、さまざまな要素を持ったおもちゃを準備します。
要素とは、「色」「形」「素材」「大きさ」「触った時の感触」「音が鳴るかどうか」など、それぞれのおもちゃが持つ特徴のことです。

その子が遊びの世界に入るきっかけを作ってくれるおもちゃはどれでしょう。
「色」に注目すると、木の素材を活かした無垢のおもちゃからパステルカラーのおもちゃなどさまざまです。

「素材」に注目すると、木製のおもちゃ、プラスチックのおもちゃ、布のおもちゃ、などこれもさまざまです。

その子がふっと興味が湧いて、遊びの世界に入るきっかけを作ってくれるおもちゃを探し、そこからさまざまなおもちゃや遊びを目の前で展開し、私は子どもたちが遊びの世界に自然と入れるようにしています。

プレーパークでも同じように、子どもたちが外遊びの世界に入りたいと思うような入り口を探しています。

例えばシャボン玉です。

プレーパークに初めて来た子どもは、子どもたちがアクロバットな遊びをしていることに驚いてしまうかもしれません。
そこで、一度はやったことがあるシャボン玉を用意して

「一緒に、シャボン玉やってみる?大きなシャボン玉できるやつ用意したよ!」

と言って、外遊びの世界への入り口を作っていきます。
しかし、それでも遊びに入れないような子どももいます。
そんな時は

「ほら、見て」

と言って、私が大きなシャボン玉を作って、その子の方に飛ばしてみます。
それを何回か続けていく中で

「どおする、作ってみる?」

と言うと、「うん」と小さくうなずく子どもが多くいます。
もしそれでも、なかなか遊びの世界に入らない子どもがいたら、その子にとっての遊びの入り口はきっと、違うところにあるのだと思います。

もしかしたら、今日は遊びたくないのかもしれません。

「遊びたい」という気持ちを後押しする

「遊びの入り口を探す」ことは、子どもたちが遊びたいという気持ちの背中を少し押してあげるための視点であり、子どもたちを遊ばせるための視点ではないと思っています。

遊びたくない、と言うときもきっとあるはずです。
そんな時は、その気持ちを大切にしてあげます。

「この子は普段、どんなおもちゃで遊んでいることが多いだろう」
「どんな外遊びが好きなんだろう」
そんな視点を持ってみると、その子にとっての遊びの入り口がきっと見つかるはずです。
日常の子育てや保育の中で、意識してみてはいかがでしょうか?

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星野 洸太
執筆者プレーワーカー、おもちゃコンサルタント
星野 洸太
新潟県長岡市在住。大学院での研究のかたわら、長岡市でまちづくり・子育て支援活動に携わる。またプレーワーカーとして2021年4月に長岡市初となるプレーパーク「蔵王の城プレーパーク」の立ち上げを行い活動中。

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