子どもの遊び「いま、何を楽しんでるの?」〜プレーワーカーとして大切にしていること2〜
2021.07.23
子どもが「楽しい」と感じているポイントは何?大人はどう関わればいいの?プレーワーカーが語る子どもの遊びに寄り添うヒント。
皆さんこんにちは。新潟県長岡市で「蔵王の城プレーパーク」という遊び場をしているおもちゃコンサルタントの星野洸太です。
第2回目の記事に続き、プレーワーカーとして大切にしていることをご紹介します。
子どもたちの“楽しい”に寄り添うこと
私がプレーワーカーとして大切にしていることは、「子どもたちの“楽しい”に寄り添うこと」です。
「子どもに関わるなら、当たり前じゃない!?」
と思う人も多いかもしれませんが、子どもたちが自由に遊びを作ることができる環境のためには、「子どもたちの“楽しい”に寄り添うこと」はとても重要な視点だと思っています。
「子どもたちの“楽しい”に寄り添うこと」とはどういうことかというと
子どもたちが遊んでいる時、
「その子が何を楽しんでいるのか」
という視点で子どもたちを見るということです。
例えば、上の写真のようなお面をかぶって変身している子どもが突然現れたとします。
普段、子どもたちと関わりがある方なら、こんな光景にも出会ったことがあるのではないでしょうか。
さて、こんな時。この子は一体何を楽しんでいるのでしょうか。ぜひ、考えてみてください。
もしかしたら
葉っぱ越しに透けて見える世界を楽しんでいるのかもしれません。
葉っぱが顔に当たっていて、その時のチクチクした感覚を楽しんでいるのかもしません。
もしくは、この顔を見せて「なんて言ってもらえるんだろう」とワクワクしているのかもしれません。
子どもたちが遊んでいる時、子どもたちは必ず何かを楽しんでいるはずです。
私は子どもたちと遊ぶ際、その「何を楽しんでいるか」を意識して探すようにしています。
さっきの葉っぱのお面をかぶった子どもは
「葉っぱ越しに透けて見える世界を楽しんでいた」とします。
そうしたら私は
「葉っぱのメガネかけて見ると、なんだか世界が変わるね」
「こっちの葉っぱでやったら見え方変わるかな」
と、その子の遊びの世界を広げてあげることができます。
それでは、この黄色い箱を押す子どもは一体何を楽しんでいるでしょうか。
この黄色い箱は実は子ども用の椅子ですが、よく見ると窓が付いていてバスに見えます。
そう、この子はきっと、子どもが車のおもちゃを手で押して「ブーブ」と言って遊ぶように、バスの運転手さんになった気持ちで楽しんでいるのでしょう。
さてこんな時、皆さんなら、なんて声をかけてあげますか。
きっと、その子の「楽しい」に寄り添った皆さんの言葉なら、その子をより楽しませてあげることができると思います。
一緒に遊んで、一人ひとりの「楽しい」を見つける
「子どもたちの“楽しい”に寄り添う」ためには、一人ひとりの「楽しい」を見つけなければいけません。
結論からお伝えすると、その子にとっての「楽しい」は、その子にしか分かりません。
また、子どもにとっての「楽しい」は、いつも同じではありません。
その日の気分や天気、遊ぶ場所や誰と遊ぶかによっても変わります。
私たちも、良いことがあった日や仲のいい友達と遊ぶときは何をしても「楽しい」ですが、落ち込んでいたり天気が悪かったりする日は、なんだか気分が乗らない時もあると思います。
子どもたちの「楽しい」も、その時々で変わります。
だからこそ、私はその子の「楽しい」を見つけるために子どもたちと一緒に遊ぶことを心がけています。
子どもたちの遊びに私も混ぜてもらいます。
近くで一緒に遊び、遊んでいる様子を見たり話をしていると
「今、これを楽しんでいるんだな」
と気づくきっかけになります。
近くにいる大人が子どもたちの「楽しい」に寄り添えると、子どもは「分かってもらえている」と安心して遊ぶことができます。
そして、大人としても子どもの小さな変化に気が付くきっかけにもなります。
保育の現場、お家での遊び、お出かけした時の遊び。
子どもたちの遊びに目を向けて、子どもの目線で一緒に遊んでみて、今、子どもたちが何を楽しんでいるのかを探してみてはいかがでしょうか。
きっと、普段とは違った視点で子どもたちの世界を見つけることができると思います。
子どもたちと一緒に外遊びの世界に出かけよう!
遊ぶ育む集まる2021.07.23