遊ぶ待っとうよ、福岡おもちゃ美術館 準備室日記

愛らしい郷土玩具も、み〜んな待っとうよ♪福岡おもちゃ美術館

2021.10.01

福岡おもちゃ美術館に展示される、九州の郷土玩具たち。美しい色、愛らしい表情の魅力を、スタッフがご紹介します!

愛らしい郷土玩具も、み〜んな待っとうよ♪福岡おもちゃ美術館

こんにちは。福岡おもちゃ美術館スタッフの大仁香織です。

2022年春オープンの福岡おもちゃ美術館には、たくさんの九州の郷土玩具が展示されます。
昔から愛されたおもちゃには温かみがあり、思わず手に取りたくなる品々ばかりです。
今回はその中から5つをご紹介いたします。

なんとも言えない表情が魅力!津屋崎人形「ごん太」

福岡の郷土玩具・津屋崎人形のごん太。
津屋崎というのは福岡県福津市の海のそばにある町。近くには大きなしめ縄と、年に2回現れる光の道で有名な宮地嶽神社があります。
昔は津屋崎人形を作る店も何軒かあったそうですが、今では2軒だけになってしまいました。

こちらのごん太は明治時代のおしゃぶり人形です。
当時は米粉で塗られていたそうで、ほんのり甘かったのかなぁ。
現在は顔料で絵付けをしているためおしゃぶりとしては使えないそうです。
このなんとも言えない表情がたまらない。
何か話したいのかな? でもなんだか我慢強そうなお顔立ち。
有名企業ともコラボすることもあり、なかなかおしゃれさんのごん太くん。
福岡弁でいうと「シャレとんしゃー。」

父と娘が大切に受け継ぐ「孫次凧」

北九州戸畑区の孫次凧。
福岡の特産工芸品にも指定されています。大きな目と鮮やかな色合いが印象的な凧。
明治の末期、竹内孫次さんが作った凧がよく揚ると評判になりました。
現在は孫次さんの意思を受け継ぎ孫にあたる竹内義博さんが作っています。
絵付けは娘の梓さんが担当しています。
子どもたちが安心して楽しく遊べるようにと、絵付けは食紅を使っています。
父と娘が手を休めることなく作業して1日に6〜7枚のペースで一つ一つ丁寧に手作りされている孫次凧は高―く高―く飛んで青空にも映える、美しい凧です。

愛らしい表情の鯛やムツゴロウも!「尾崎人形」

尾崎人形は、佐賀県神崎の郷土玩具。
始まりは元寇の際に捕虜になった蒙古軍の兵隊が人形を作って吹き鳴らし、遠い祖国を忍んだというちょっと悲しい言い伝えがありますが、土笛には虫下の効果があり、その後子どもの健やかな成長を願うお守りになりました。

尾崎人形は鳩の形をした鳩笛が有名ですが、写真のような鯛やムツゴロウなどいろいろな形があります。表情も愛らしく手に取ってみたくなる郷土玩具です。

都をしのぶ美しい彩色の「きじ馬」

人吉のきじ馬は、熊本県人吉地方の民芸品です。
平安時代に人吉の郊外の大塚というところに都からやって来た平家の落人が住み着き、京の都の栄華をしのんで作ったといわれる郷土玩具です。その後、多くは農家の副業として作られていたようです。
子どもたちは美しく彩色されたきじ馬を買ってもらうと、曳き回したり、馬乗りになったりして遊んだそうです。

頭に「大」の字が書かれるのは、大塚村で密かに作り方を学び取った若者が、大塚での恩に報いるため記しはじめたのだとも伝えられています。

女の子への土産品として喜ばれた「花手箱」

花手箱は、人吉のきじ馬と同じで平家の落人由来のものです。鮮やかな色彩が特徴で、人吉地方で主に女の子への土産品として作られてきました。
モミ・ヒノキ・杉などの板で作られ、赤と緑で椿の花が描かれます。
地肌は、木肌を白く塗ったものと木目を生かしたものがあります。

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九州の郷土玩具、いかがでしたか?
ぜひ、福岡おもちゃ美術館に見にきてくださいね。
待っとうよ♪福岡おもちゃ美術館

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2022年春にオープンの福岡おもちゃ美術館 開設準備室のスタッフがリレー連載でお届けします。
次回もお楽しみに!

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福岡おもちゃ美術館 準備室
執筆者2022年春オープン!福岡おもちゃ美術館準備室です
福岡おもちゃ美術館 準備室
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