遊ぶ子どもの「食べる力」が育つ おうちでできる心がけ

授乳の時間はごはんの時間。目を合わせて語りかけて! -子どもの「食べる力」が育つ心がけ#1

2021.04.23

子どもの「食べる力」のために、おうちでできることって?連載第1回は、ねんねの頃にできる2つのことをご紹介。

授乳の時間はごはんの時間。目を合わせて語りかけて! -子どもの「食べる力」が育つ心がけ#1

はじめまして。
東京都昭島市で、親子の居場所【親と子の自由空間ほっと】を運営している石川くに子と申します。

親子さん達と過ごす日々の中で、困りごとを伺う機会がたくさんあります。
その中で「食」についての相談や愚痴はとても多いんですよ。

・偏食 
・遊び食べ
・小食
・食べるのが遅い などなど 。

離乳食が始まる頃から大きくなるまで、親御さんは子どもの食について悩みが絶えない様子。
私は管理栄養士のような食の専門家ではありませんが、そういった専門の方と手を組んで食について学んだり、おやつや食事を一緒に作って一緒に食べる会を日常的に開催しています。
ここではその中でぜひ伝えたいと思っていることを書いていきますね。

「食べる」のゴールは?

人は食べなくては生きていけません。
勉強や仕事は辛かったら休むことができますが食事は毎日死ぬまで続くこと。
ならば一生続く「食べる」の時間は楽しく豊かであってほしい。親なら誰しもそう願うのではないでしょうか?

「食べる」のゴールとは何でしょう?

行儀よくいろんなものを、時間内に食べられる人に育つことですか?
そうではありませんね。
『食べる時間は楽しい時間。心と身体にエネルギーをチャージする大事な時間。』ということがしっかり根付いた人に育つことです。
確かに、お行儀よく偏食せず、周りと一緒の時間内に食べられた方がいいでしょう。
でもそれによって「食べる時間は楽しい時間」というのが無視されてしまうのはおかしいですね。

いつか、大人になった時
・周りの人と楽しい食事の時間を過ごせる人
・自分の身体が元気でいられるような食事が作れるような人
に育つこと、それがゴールです。

赤ちゃんから順を追ってそれぞれの時期に大人が心がけたいことをお伝えします。

まずはねんねの時期。
<食べる>ということを考えた時、離乳食前は特にすることは無いよね…と思われるかもしれませんが、実はその頃からゴールを目指して、家庭でできることが2つあります。

ねんねの頃にできることその1:「授乳の時間はごはんの時間と同じと思って接しましょう」

赤ちゃんという存在は知識こそまだ少ないですが、感情は大人と一緒にちゃんとあります。
もしかしたら大人以上に感受性は豊かかもしれません。
生まれて数カ月の赤ちゃんにとってのごはんは、当然のことながらおっぱい(ミルク)ですが、その授乳の時間をどんなふうに過ごすのか?はとても大切です。
そんなに難しいことではありません。大人のごはんの時間と同じように考えれば大丈夫。

1:授乳の前には「さあ、おっぱい(ミルク)の時間よ。」と、目を見てきちんと声をかけましょう。

大人だって無言でいきなり目の前に料理が置かれて、いきなり口に食べ物を突っ込まれたらいやですね。
赤ちゃんだって同じ。ちゃんとこれから食べる時間が始まることを言葉にしてあげましょう。

2:飲んでいる途中は見守ってあげましょう。

飲んでいる途中で吸うのをお休みしてお母さんのことを見つめてきたらちょっとお話をしてあげると良いです。
これも自分に当てはめて考えてみてください。もしも自分が食事中に、目の前にいる大好きな人がずっとスマホをいじっていたり、何か別のことをして自分の方を全然見てくれなかったら、その食事は楽しい時間と言えますか?

3:飲み終わったら、「おいしかったかな。ごちそうさまね。またおなかがすいたら飲もうね。」などとお話をして終わりましょう。

授乳の時間はこれからのごはんの時間につながるスタートの時期。
どんなごはんの時間にしたいかな?どんなごはんの時間であってほしいかな?
そんなことを考えて授乳をしていきましょう。

ねんねの頃にできることその2:「自分や、他の家族のごはんタイムも大切に」

生まれて半年位から少しずつ離乳食が始まっていくことになりますが、離乳食が始まる前の時期も、ほかの家族が先のゴールを叶えた食事をしている様子を赤ちゃんに見せてあげてください。

また、お料理をする時も、ぜひ傍らで話しかけながらその様子を伝えてあげるとよいです。

赤ちゃんは周りの人がすることを、いつも五感全部を使って観察しています。
「いつもと違うにおいがする」
「トントントン… ズズズッって音がする。」
「いつもあっちの方(食卓)からたのしそうな声が聞こえるなぁ。」
そんなふうに感じながら家族の様子を見ています。
そんな気持ちが膨らんで食べている様子を見つめて手を伸ばしてきたり、食べたそうなしぐさが見られたら、そろそろ離乳食の始まりです。

* * * * * *

ねんねの頃から心がけたい2つのこと、いかがでしょうか。

それほど難しくない、おうちでもできそう…と思ってもらえた嬉しいです。

次回は離乳食の頃についてお話します。

次回の記事はこちらから≫≫≫

石川 くに子
執筆者『親と子の自由空間ほっと』を運営。おもちゃコンサルタントマスター。
石川 くに子
おもちゃコンサルタントマスター。東京都昭島市で『親と子の自由空間ほっと』を運営し、親子のためのさまざまな講座やイベントを開催。「子どもたちの健やかな成長に少しでも力になることができますように。子どもを育てるママたちの楽しく充実した毎日を重ねていく力になれますように。そんな思いで運営しています。」

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