遊ぶ子どもたちと一緒に外遊びの世界に出かけよう!

焚き火に穴掘り、子どもが考え挑戦する外遊び〜プレーパークの様子を紹介します〜

2021.06.25

子どもと一緒に、外遊びの世界へ出かけよう!遊びの豊かさ、環境づくりの大切さなどを伝える連載第1弾。

焚き火に穴掘り、子どもが考え挑戦する外遊び〜プレーパークの様子を紹介します〜

みなさんはじめまして。
子どもたちの外遊びの場づくりをしている、おもちゃコンサルタントの星野洸太です。
私は今年の4月から、新潟県長岡市で「蔵王の城プレーパーク」という外遊びの場づくりをしています。

プレーパークとは、子どもたちが「自分たちで遊び場を作っていく場所」です。

大人が「ここではこんな遊びをしましょう」というのではなく、子ども自身が穴を掘ったり、木を切ったり、水を流したり、火を焚いたりと、自然の素材と遊び場にある道具を使って、自分たちで自分たちの遊び場を作っていく場所です。

これからプレーパークを通じた外遊びの楽さや、子どもたちと外遊びをする際に大切にしていることを皆さんにお伝えしていきたいと思います。

それでは、プレーパークで子どもたちがどんな遊びをしているのか覗いてみましょう。

「焚き火」で火の力を体験する

これは、私が関わっている「にじの森」という場所での活動です。
普段、子どもたちが火に触れる機会は少なくなっています。
火は危険なイメージがありますが、実は子どもが火に触れることは
「火は熱い、火傷しちゃう」「そこに置いたら火事になっちゃうよ」
と、火の扱い方を学ぶ大切な機会に繋がります。

そして焚き火は、遊びの幅を広げる大切な役割を果たします。
例えば、緑色の葉っぱが付いた枝はなかなか燃えにくいけれども、茶色の乾燥した枝なら火がつきやすく燃えやすいこと。
ビー玉を火の中に入れて水に入れると「ジュッ」っといって綺麗な結晶がビー玉の中にできること。
でも、ゆっくり入れないと水の中で砕けてしまうこと。
好奇心と遊び心から、燃え方や燃えるものの違いを、体験を通じて学んでいきます。

火があると、大人も子どももなんでも焼いてみたくなりますよね。
「子どもの頃にはできなかったあれを燃やしてみたい」
と、大人の方が張り切っている姿もよく目にします。

また、マシュマロを持ってきた男の子が一言、
「これ、焼いたらどうなるかな」
竹串に刺して火に近づけてみたら、一瞬にしてマシュマロが燃え上がり、真っ黒な炭になってしまいました。
その様子を見ていた周りの子どもたちは大笑い。
「もっと遠くでやらないと」と他の子がアドバイスをして、今度は少し焦げ目がついたほろっとしたマシュマロが完成しました。

「次は僕も、私もやる」
「これ、お父さんにもあげるね」

まずは自分たちでやってみる。失敗したら、変えてみる。
子どもたちなりの試行錯誤を繰り返し、自分たちでやり切った達成感が印象的な様子でした。

穴掘りから広がる子どもの世界

幼稚園に通う2人の男の子は、今日初めて会います。
私がスコップで穴を掘っていると 「なにしてるの」と1人の男の子が近づいて来ました。
「穴掘ってどこにいくの」ともう1人の男の子も近づいて来ました。
「穴掘って、地球の反対側に行こうと思ってさ」
と私が言うと2人の男の子もスコップを持ってきて一緒に穴を掘り始めました。

しかし、穴が深くなるにつれて、手が届かなくなっていきます。
すると2人は、近くに落ちている長い木の枝を持って来て、穴の底を突き始めました。
子どもたちなりにどうしたら穴の底に届くかを考えた結果です。

しかし、次は穴の壁が崩れて来てしまい、掘っても掘っても砂が落ちてきてしまいます。
さすがにお手上げ状態な2人に
「壁が硬くなったら落ちてこないかな、どうする」
と2人に聞くと、1人の男の子が

「水もってくる」

その言葉にもう1人の男の子も動き出します。
そう、実は穴を掘る前に「泥団子」を作っていた2人。
泥団子を固めるために、水を使うことを思い出したのです。

(にじの森での子どもたちの様子)

結果的に、溢れんばかりの水を入れたため、穴は池になってしまいました。
しかし、1回1回水を運ぶのは大変です。
そこで生み出されたのは「あまどい」を使って川を作ることでした。
全長約2mの川。そしてその池は、後におままごとへと変化していきました。

ひとつの遊びが連続的に変化していくのも子どもの遊びならではです。

大人も「子どもの遊びの世界」に入ろう!

そんな時、そばにいる大人に心掛けて欲しいことは、子どもたちの世界に入ることです。
子どもたちは、遊び方や遊び道具が変わったり、ふと目に入った物によっても遊びが変化していきます。
大人からすると「え、さっきまでそれで遊ぶって言ってたじゃん」
と思うこともありますが、しかしそれは、子どもたちが「楽しい」と思うものが常に変化していっているということです。

子どもたちの見る世界、楽しいと思う世界は常に変化していると思って、大人が子どもたちの世界に飛び込んでみてください。

ぜひ1度、お近くのプレーパークに遊びに行ってみませんか?
子どもたちが自由にチャレンジし、 達成感を味わえる遊びが待っています。

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星野 洸太
執筆者プレーワーカー、おもちゃコンサルタント
星野 洸太
新潟県長岡市在住。大学院での研究のかたわら、長岡市でまちづくり・子育て支援活動に携わる。またプレーワーカーとして2021年4月に長岡市初となるプレーパーク「蔵王の城プレーパーク」の立ち上げを行い活動中。

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