福井県産材のおもちゃワークショップでみんなをつなぐ―おもちゃコンサルタント・日野岡 金治さん
2020.03.27
福井県の木を使ったおもちゃワークショップを手がける日野岡さんのこだわりは、みんなのやりがいを作ること。連載第5回。
福井県で毎年恒例、2日間で三万人近いお客様を集めるイベントをご存じでしょうか?
大きな展示場が、木のおもちゃ、遊具、木製品でいっぱいになるイベントです。
今回は、その主催組織に所属され、木のおもちゃワークショップを行っている、おもちゃコンサルタントの日野岡 金治(ひのおか きんじ)さんをご紹介します。
日野岡さんは毎月一回、福井から上京され、東京おもちゃ美術館で、ボランティアスタッフとして手作りおもちゃを教えています。
その熱意や行動力には、いつも感心させられています。
私は日野岡さんと知り合って5年になりますが、東京おもちゃ美術館以外での活動をお伺いしたことがありませんでした。また、福井県で活動を共にしているおもちゃコンサルタントの仲間たちにも、活動の全貌はわからないそうです。
あるとき、日野岡さんから、若い時に越前市の自然体験施設「八ツ杉森学習センター」設立に関わり、まったくの山を一から開墾されたというエピソードを聞いた時には、思わず驚愕! 現在の日野岡さんの活躍ぶりの一片がわかった瞬間だったそうです。
そんな日野岡さん、現在の主な活動は、福井県産材を使った手作りおもちゃのワークショップで、幼稚園、保育園、小学校、障がい者施設、地域各種イベントなどで開催されています。
ワークショップの材料は、ご自身のネットワークで仕入れた県産材を、障がい者施設「福寿園」さんに加工してもらっています。
もちろん、日野岡さん自身、加工する機械も腕もお持ちですが、あえて外注することにこだわっていらっしゃるとのことです。
ご自分で加工して材料を準備すれば、金額面では安く済むのですが、外注することで、「福井県産材メーカーさん」「加工する福寿園さん」「ワークショップ開催のおもちゃコンサルタントたち」それぞれにお金が発生する。
そのことで、みんなが「やりがい」を体感する雰囲気を作れる。そんな考えにもとづいています。
社会貢献やボランティアは、とかく「無料奉仕」のイメージが強いですが、それだけでは、モチベーションに限りがあって 長続きしないのが現実です。その点を大切に考えていらっしゃる日野岡さん、私はとても魅力を感じます。
ただ、やはりワークショップの値段が高目の設定になってしまうのが悩みだとのこと。
しかし、趣旨をしっかりお伝えすると賛同頂けるお客様が増えているそうで、毎日イベントの受注に奔走されています。
そんな日野岡さんの夢は、スケールの大きなワークショップを開催すること。例えばキューブ状の積み木で、大きなお城のオブジェを作ってみたいとのことで、まだまだ道半ば??だそうです。
全国の皆さんにも、日野岡さんが取り組む福井の木育キャラバンにぜひ来ていただき、その雰囲気を味わって頂きたいと思います。
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