工夫を凝らした輪ゴムてっぽうの名人―東京おもちゃ美術館 おもちゃ学芸員・小中健史さん
2020.02.21
「輪ゴムてっぽう」のイベントを開催している小中さん。輪ゴムてっぽうとの出会いや魅力について伺いました!連載第4回。
輪ゴムを飛ばして的を狙う「輪ゴムてっぽう」、皆さん一度は経験があるのではないでしょうか。
東京おもちゃ美術館のボランティア「おもちゃ学芸員」の小中健史さんは、一般企業退職を期におもちゃコンサルタント養成講座を受講されました。
お勤め現役時代は全くの企業戦士で、仕事に没頭していた小中さん。退職後に出会ったのが、「ゴム銃」と呼ばれる輪ゴムてっぽうでした。
得意の理科的知識を活かすことができ 、手に取った方が必ず笑顔で楽しんでくれるゴム銃の魅力にとりつかれ、今では「日本ゴム銃射撃協会」に所属し、協会の支部長を務めていらっしゃいます。
ゴム銃は、割り箸で作るものから、本物の銃かと見間違うような芸術品、300連発の強者もあるそうです。
小中さんが東京おもちゃ美術館で毎月行っているイベント「輪ゴムてっぽう的当てゲーム」では、割り箸製のゴム銃を使い、多くの親子連れの方々に楽しんでいただいています。
また、東京おもちゃ美術館のある四谷地域の納涼祭でも、毎年輪ゴムてっぽうの屋台を出していますので、こちらで楽しまれた方もいらっしゃるかもしれません。
こんなふうに、地域の行事などにも出展されると 楽しさが更に広がりそうですが、企業戦士だった小中さんは、地域との繋がりが薄いそうで、それが悩みのひとつとのこと。これは、サラリーマンの私も同じで、気持ちがわかります。
しかし、東京おもちゃ美術館で開催される、難病のお子さんとご家族のための貸し切りイベント「スマイルデー」に参加されたとき、皆さんがゴム銃で笑顔になるのを見て、改めて手ごたえを感じたそうです。
必ずご自身の地域にも広がるはずと、少しずつコミュ二ティーを広げていらっしゃいます。
小中さんのすごいところは、銃だけではなく、的が楽しくなければ楽しめないと、的の仕組みにも工夫を凝らしていること。さまざまな仕掛けがあり、その巧みさには驚かされます。
現在も、輪ゴムを更に真っすぐ飛ばす工夫、当たって倒れた的を素早くリカバリーできる工夫を毎日考えていらしゃるそうです。
私たちおもちゃ学芸員仲間に、ゴム銃の作り方や的の仕掛けを紹介してくれるワークショップを開催することもあり、いつも楽しみにしています。
よく飛んで、当たると楽しいしかけのあるゴム銃。ぜひ皆さんも体験してみてください。
東京おもちゃ美術館では、毎月第3土曜日に「輪ゴムてっぽう的当てゲーム」を開催しています。
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