集まる【連載】メビウスママのボードゲームのおはなし

最適なゲーム選び -子どもからお年寄りまで楽しむために-

2018.10.19

ボードゲームは年齢の壁を越えて楽しめるもの。でも、そのためにはどんなゲームを選ぶかが重要です。連載第2回目。

最適なゲーム選び -子どもからお年寄りまで楽しむために-

アジア大会でゲーム?

みなさんこんにちは、メビウスママです。

この記事を書きながらこの夏8月に開催されたアジア大会2018を思い起こしています。水泳では6冠を達成し大会MVPに輝いた池江璃花子選手。陸上では200メートルで小池裕貴選手が12年ぶりに金メダルを獲得、100メートルリレーでは山縣亮太選手・多田修平選手・桐生祥秀選手・ケンブリッジ飛鳥選手が堂々の金メダル、マラソンも男女ともにメダルを獲得と華々しい活躍のニュースを嬉しく見たものです。

このアジア大会でメビウスママが関心を寄せた競技がありました。

この2018年大会で正式種目に決まったコントラクトブリッジ(この後ブリッジと称する)というカードゲームです。ポーカー、ジン・ラミーと並んで世界三大カードゲームと呼ばれています。世界の競技人口は1億人以上とも言われているそうです。

えっ!? ゲームでしょう。それがスポーツなの? と感じる方も多いのではないでしょうか。
実は1990年代後半ごろからマインドスポーツとか頭脳スポーツという言葉が出始めました。高い思考能力と素早い判断能力や記憶力を使って競われるゲームはスポーツだと、イギリスの教育コンサルタントTony Buzan(トニー・ブザン)が提唱したことによります。1997年にマインドスポーツオリンピアードを開催しマインドスポーツという概念が誕生しています。

ブリッジ

年齢に関係なく戦えるスポーツ、ブリッジ

さて、アジア大会ブリッジ競技には日本から12名の選手が派遣されました。その中に73歳の中尾共栄さんという女性選手が居たことを皆さんご存知でしょうか?
混合ペア競技で瀬下拓未(27歳)選手とペアを組み100歳ペアとして少し注目を浴びました。予選4位という成績で上位12組による決勝ステージに臨み11位の成績で終わりました。

さまざまなスポーツがある中でマインドスポーツと呼ばれるゲームは年齢や体力に関係なく楽しむことができる物の1つです。このアジア大会ブリッジ競技で、フィリピンの代表コンテ・ヤン選手は85歳での出場でした。他にも80代の選手が2人居たそうです。

ますます高齢化が進む時代、シニアが活躍できる場の1つとして、また競技というよりも嗜みの1つとして、さらには老いも若きも一緒に卓を囲み楽しめる娯楽としても注目をしたいゲーム(マインドスポーツ)という古くて新しい遊び方です。

ボードゲームは手軽に楽しめるマインドスポーツ

しかしマインドスポーツと呼ばれるゲームには歴史とルールの奥深さがあり、手軽感が薄く感じられるのも事実かと思います。そんな時に手にして遊んでほしいのがボードゲームです。ではそのボードゲームをどの様に選べばよいのでしょう。

毎日着る洋服もその日の天気やTPOによってコーディネートします。ビジネスシーン、遊びのシーン、冠婚葬祭では慶事と弔事で装いが全く異なります。日々の暮らしの中で身に着けた洋服選びの基本が確立されているからこそ、それぞれの人が品格を保ち装いでコミュニケーションを取り合うことができるわけです。

ゲームを買ったり遊んだりする時に洋服選びと同じ要領で選んでみると、それぞれの人やシーンにピッタリなゲームと出会うことができると思います。パッケージの絵柄や値段、そしてネット上での口コミ評価などだけに頼ってしまうと失敗のもとになりかねません。では何を注意すればよいのでしょう。今回は2つのポイントをご紹介します。

ゲーム選びのポイント1:何人で遊ぶのか?

2人で遊ぶ、3~4人で遊ぶ、5~6人で遊ぶ、それ以上で遊ぶ。この人数がボードゲーム・カードゲームを選ぶ上での重要なポイントの1つです。

皆さんに理解いただきやすい例としてトランプで「七並べ」を遊ぶシーンを思い起こしてください。
この遊びは2人から遊ぶことが可能です。しかし2人で遊ぶ場合(互いに相手の手札の情報を知っている)と3人以上で遊ぶ場合(自分以外のプレイヤーの情報が把握しにくい)では同じ「七並べ」を遊んでも全く異なった遊びになっています。

遊ぶことが可能な人数とそのゲームが持っている持ち味を存分に発揮して楽しく遊べる適正人数は別物だという事です。

ゲーム選びのポイント2:誰と遊ぶのか

クアルト

また、誰と遊ぶのかによってもゲームの選び方は変わってきます。

幼い子どもと一緒に遊ぶ、大人同士で手軽に遊びたい、ゲーム歴の長いメンバーとじっくり戦略を講じながら遊びたい等さまざまだと思います。特に幼いお子さんと遊ぶ時は、ゲームの箱に表記されている対象年齢を参考に「5歳~」「8歳~」という表示を参考にされていると思います。しかしあくまでもこれらの年齢は実年齢ではなく、それぐらいなら遊べるでしょうという判断です。さらには最初から大人のために作られた作品と子どものために作られた作品では同じ8歳の表記でも難易度はかなり違います。

えっ! じゃ~どうするの? って感じておられることでしょう。

お子さんのためにゲームを購入するのであれば、そのお子さんが集中して遊べる時間内にゲームが完結するものを選ぶことが肝要です。幼ければ幼いほど年齢表記ではなく集中できる時間を重要視してほしいと思っています。同じお子さんでもその日の体調によって集中できる時間は異なります。

ゲームを楽しみながら遊びたいのであればぜひ、何人でどんなメンバーで遊ぶものが欲しいのか? 今日は何人でどんなメンバーと遊ぶのか? を意識してゲーム選びをしてみてはいかがでしょう。きっと楽しい時間が過ごせると思いますよ。

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メビウスママ(能勢真由美)
執筆者「メビウスゲームズ」女将、おもちゃコンサルタント
メビウスママ(能勢真由美)
水道橋にあるメビウスゲームズの看板女将。著書:メビウスママのエッセンシュピールガイドブック(スモール出版) フリーペーパー:ボードゲーム情報誌「メビテン!」をテンデイズゲームズの女将と配信中!

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