遊ぶ【連載】木や森の力で社会を良くする「木育」お仕事図鑑

「木育」って知っていますか?

2020.05.01

木や森の力を活かして、社会を良くしよう!木育(もくいく)にまつわるお仕事を紹介する連載、第1回目です。

「木育」って知っていますか?

「木育(もくいく)」という素敵な言葉と、あなたは出会ったことがありますか?

「木育キャラバン」や「赤ちゃん木育ひろば」、「木育おもちゃ」や「木育教室」など、いま日本各地で「木育」をテーマにした活動やイベントが行われています。
このページを開いた方は、どこかで「木育」という言葉に出会い、何かしら魅力的な体験をしたのではないでしょうか?

「木育」とは、木を通じて、人や社会を良くすること。

木のおもちゃで、親子が笑顔になる。
森の中を歩いて、心と体が健康になる。
自分の手で木のスプーンを削って、暮らしの中で使ってみる。

そんな木や森を通して「人」や「社会」を良くしていくアプローチのことを「木育」と呼んでいます。

今の日本はモノにあふれ、経済的には豊かに見える一方で、いじめやストレスなど、子どもから大人までが生きにくさを感じています。
心と体の両面で豊かに健康に暮らしていくためには、心が安らぐ時間が必要です。そのために木に触れたり、緑の中で遊んだり、自分の手で物を作ってみたり。そんな木を通じたアプローチ=「木育」が有効な手段であると、今、注目を集めています。

既存の仕事に木育の要素をプラスして

そんな木育という活動ですが、どうしたらそれを仕事にできるのかは想像しにくいかもしれません。
でも、実は木育を活かせる仕事はいっぱいあります。
「子育て支援+木育」「街づくり+木育」・・・などなど、近年、木育は多様な展開を始めています。

今ある仕事や業界に木育の要素をプラスすることで、木の心地よさを活かしながら人や社会を「ちょっと良くする」そんな魅力あるお仕事に変えていけます。

いま、木育のスキルを持った人材が求められています

私は「木育+モノ作り」を仕事にしています。
モノ作りを通した仲間づくりプログラムを企画したり、世代間の交流や地域文化の伝承などの仕組みをデザインしたり、地域の産業作りのお手伝いをしたり、これらは作り手のスキルを活かした木育のお仕事です。
このお仕事は、私の職場のある岐阜県だけではなく、四国や九州、北関東など日本各地にフィールドがあり、クライアントは自治体や企業など様々です。

色々なところで木育に関わる仕事をさせて頂いて感じるのは、今、多くの地域や業界で木育の視点を持ち、実践できる人材が求められていることです。

モノづくりを通して仲間作りをする木育プログラム



この連載では、木育に関わる色々なお仕事を紹介していきます。
木育の魅力に触れ、これを自分の仕事にしたい、ライフワークにしていきたい、と思ったときの参考になれば幸いです。

あなたも、木育を仕事にしてみませんか?

(写真提供 岐阜県立森林文化アカデミー)

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前野 健
執筆者岐阜県立森林文化アカデミー講師(木工専攻)、おもちゃコンサルタント
前野 健
木工教員としてモノ作りと木育の授業を担当しています。 学生と一緒に様々な地域の課題に関わりながら、地域材の活用と地域の活性化を両立させる木育プログラムの開発・実践を行っています。ウッドスタート公認デザイナー。 活動ブログ「街と森の交差点」http://machitomori.forest.ac.jp/

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