遊ぶ子育てでわくわくしよう!子どもと遊ぶ6つのヒント

赤ちゃんの「もう一回!」に応えることが大切な理由-子どもと遊ぶ6つのヒント#4

2022.02.25

何度も同じ遊びをしたがる赤ちゃんの相手で、ママ・パパは大変?でも、この「もう1回!」に応える「応答的な関わり」はとても大切なんです。乳児の遊びと発達の専門家による連載第4回。

赤ちゃんの「もう一回!」に応えることが大切な理由-子どもと遊ぶ6つのヒント#4

こんにちは。おもちゃコンサルタントの竹内あゆみです。
私は、保育者のたまごを育てる学校で講師をしています。また、休日は地元の子育て支援センターでおもちゃの広場を開催しています。

今回は、「赤ちゃんには応答的なかかわりが大切」というお話をしたいと思います。

目次


・「応答的なかかわり」って?

・揺らしたり落としたりが楽しいシフォンスカーフ

・ママにも人気のおもちゃ どんぐりころころ

・すぐできて簡単 いないいないばああそび

「応答的なかかわり」って?

「応答的なかかわり」って難しそう・・・と思われるかもしれませんが、実は、子育て中のママ・パパなら、自然とやっていることなんですよ。
たとえば、ボールが転がるおもちゃを、赤ちゃんに見せてあげると、赤ちゃんは落ちたボールを手に取って渡してくれることがありますよね。そこで、ママ・パパはリクエストに応えてもう1回。これが、「応答的なかかわり」です。

子どもの要求に応えて気持ちを受け止め、言葉を代弁し、同じことを満足するまで繰り返す。
これらのことを「応答的なかかわり」と言います。(赤ちゃんが泣いている時に、不快な感情を受け止めてもらえる経験も同様です。)
乳児期に特定の大人から応答的なかかわりを継続してもらえる経験は、その子の自己肯定の気持ちを育みます。

今日は、「応答的なかかわり」を楽しむおもちゃ・遊びをご紹介します。

揺らしたり落としたりが楽しいシフォンスカーフ

軽くてふわふわした素材でできたスカーフです。遊び方はさまざまですが、たとえば以前、研究で訪れた園で0歳児クラスに入った時のこと。

ある保育士さんが、お座りをしている子どもの目の前でシフォンスカーフを手で隠しました。
そして、「♪まあるいたまごがパチンとわれて、なかからひよこがピョッピョッピョッ~♪」とスカーフを動かしながら歌いました。
歌い終わると、その子の頭よりも少し上からスカーフを落とし、風にゆられて床に落ちるスカーフの動きに合わせながら、「ぴよぴよぴよ~」と言葉を添えたのです。

目の前にいる赤ちゃんは…。スカーフの動きを不思議そうに見つめながら、下に落ちたスカーフを自ら手に取り、やや前のめりになって保育者に差し出しました。まだ言葉が話せない子どものこうした動きは、「もう一回!」のサインです。
そこでその保育者はその子の気持ちに応えるように、「もう一回だね」と言いながら再び手の中にスカーフを隠し、遊びを続けたのでした。

赤ちゃんは動くものが大好き!ご家庭でも歌を歌いながら、「ひらひら~」と言って上から下に落とす遊びを楽しんでもいいですね。
また、歌に自信がないという方は、赤ちゃんの目の前でひらひら揺らすだけでも楽しめますよ。その時に、「ひらひらひら~」「ゆらゆら~」など、動きを言葉にしてあげてください。床の上でジグザグ動かしながら「にょろにょろ~」と言えば、へびさんにもなりますよ。

ポイントは、赤ちゃんの動きに同調し、同じように真似をすることです。
例えば赤ちゃんがスカーフを手に持って渡してきたら、「ありがとう。」と笑顔で受け取る、そして今度はママから赤ちゃんに渡してみる、そしてそれを受け取った赤ちゃんがまたママに渡す…。この繰り返し遊びを楽しんでみましょう。

ママにも人気のおもちゃ どんぐりころころ

坂道の上を、のんびりころころ落ちていくどんぐりのおもちゃ。ママたちにとっても人気です。
動くものを目で追いたい赤ちゃんはその動きにくぎ付けになります。そして、坂の下に落ちてきたどんぐりを手に持ち、ママに渡します。そこでママは「もう1回ね」と言い、再びどんぐりを転がすのでした。

まずは手でつかむ、なめる、ふる…などの行動が見られます(笑)「これはなんだろう?」といろいろ確かめる姿が見られます。

ある赤ちゃんにこのおもちゃを渡したところ、坂道を転がるどんぐりをつかみ、ママの表情を確認していました。
そこでママが坂道をトントンと叩き、「ここにおくんだよ~」と優しく声をかけると、赤ちゃんも同じように坂道をトントン叩く姿が見られました。そしてその姿を見たママも、同じように坂道をトントン叩きました。

おもちゃ本来の遊びではない場面でしたが、まさにこれが応答的なかかわりであり、赤ちゃんの発信に丁寧に答えた結果、最終的には赤ちゃんが自分でどんぐりを台に置けるようになったのでした。

すぐできて簡単 いないいないばああそび

いないいないばあ遊びは、ママの手があればすぐにできる簡単な遊びです。
お人形にハンカチなどをかけて「いないね~」「出てきたね~!」と楽しむこともできます。
また、新聞紙を使って遊ぶこともできますよ。
8か月頃から楽しめる遊びですが、この頃の赤ちゃんは、目の前にあるものが視界から消えても実際にはそこに存在しているということが分かるようになっています。
そこで、大好きなママの顔が手の向こうに隠れていても、出てくるとわかり、その予想した結果になることを喜ぶのです。

最初はママから赤ちゃんに「いないいないばあ」をしてみてください。何度かしていると、次は赤ちゃんも自分で真似をするようになります。
その時、次は赤ちゃんの表情やタイミングに合わせるように、ママも一緒にやってみてください。
「気持ちが通じた!」と思い、何度も繰り返し遊ぶことでしょう。

*   *   *

応答的なかかわりは、このようにシンプルなものですが、繰り返し行うことで赤ちゃんとのタイミングが合ってきますよ。
何度か遊んでいるうちに、赤ちゃんがその遊びをやめる瞬間があります。その時が、その子の遊びが満足して終われたという瞬間でもあるのです。

大好きなママとの応答的なかかわりを繰り返すことで、赤ちゃんは人とのかかわりやつながりを学んでいきます。
ぜひ、ママが「かわいい!素敵!遊んでみたい!」とインスピレーションを感じたおもちゃを手にとり、ワクワクしながら遊んでみてくださいね。

≪≪≪前回の記事「6か月ころまでの赤ちゃん発達とおもちゃ選び」

竹内 あゆみ
執筆者小田原短期大学 専任講師、保育士、おもちゃコンサルタント
竹内 あゆみ
保育者養成校で「乳児保育」「人間関係」の科目を担当しています。専門は、乳幼児の社会性の発達と遊びに関すること。海老名市の子育て支援センターでおもちゃの広場を開催中。インスタグラム【toy_consultant】で検索&フォローしてくださいね。

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