知る【連載】トランプ母ちゃんの ゆるりベルギーライフ

ヨーロッパではキャラクターなみに愛されています“馬”

2019.08.16

ヨーロッパの歴史・文化と深い関わりのある動物、馬。おもちゃ・遊びの中にもその影響は大きいようです。連載最終回。

 ヨーロッパではキャラクターなみに愛されています“馬”

グッド・トイ2018「こどもトランプ1to10®」!を作った矢先、夫の転勤でベルギーへ。
チョコとビールだけじゃない!魅力たっぷりなベルギーを、”遊び”の視点でお届け第6弾。

ヨーロッパを代表する玩具LEGO(デンマーク)とPlaymobil(ドイツ)。
日本ではLEGOの方がメジャーですが、こちらではテレビCMでも玩具売場でも人気を二分しています。
LEGO一色だった我が家もベルギーに来て、馬舎のPlaymobilをバザーで買ったことをきっかけに、Playmobilが少しずつ増えています。

おもちゃ屋さんに行くと、馬関連商品の豊富さが日本にはないラインナップで、いかに“馬”が愛されているかを感じます。
玩具だけでなく文房具や通学バックに馬デザインの物も多く、ディズニーキャラクターと同列に陳列されているところから女の子からの人気の高さも伺えます。

ヨーロッパに暮らしてみると騎馬隊を見かけることもよくあります。
式典の時だけでなく、パトロールなど日常的に馬が活躍します。ヨーロッパの建物に特徴的な門扉の高さは、馬車や馬が門を通って中庭まで乗り入れた名残です。

緑豊かなベルギーでは公園で気軽に乗馬ができ、地域イベントで馬のお手入れワークショップが開かれるなど、馬の存在をとても身近に感じます。

男の子の健康のシンボルとして現代でも愛されている乗り物玩具「木馬」に代表されるように、馬は昔から大切な家畜であり身近な存在でした。狩猟民族・騎馬民族であるヨーロッパでは、大事な馬の脚を守る「蹄鉄」への認識も大きく、ラッキーアイテムとして贈り物とされたり、蹄鉄を投げる「ホースシューズ」という遊びも生まれました。

馬の遊びとして最近注目されているのは何と言っても「棒馬(ホビーホース)」でしょう。棒馬とは、長い棒の先に馬の頭のぬいぐるみをつけ、棒にまたがりお馬ごっこをして遊ぶ玩具です。棒馬の歴史は古く、ソクラテス(紀元前469/470~399)の家にもあり、紀元前1世紀の中国でも、子ども達が棒馬で遊んでいたそうです。※

現代のフィンランドの若者発のホビーホースブームは、インスタグラムなどのオンラインと、馬場馬術大会や記録会などのリアルの中からコミュニティーを立ち上げ、様々な活動や自己表現を広げています。自ら作ったおもちゃの馬で本物の馬術競技さながらに技を競うホビーホースは、創造力、イノベーション、そして独創的な思考という、いずれも現代のフィンランドで重要視されている要素から成り立っているといわれます。

“遊び”や“おもちゃ”は決して子どもの暇つぶしではない。その重要性・可能性を体現してくれているように感じます。

初めての海外生活、〝遊び〟を通じて感じた驚きや発見を、6回にわたってお付き合い頂き有難うございました。
国は違えどあやとりや手遊び等で遊ぶこどもの姿にホッと心が和むこともありました。何気ない日常も、少し視点を変えてみると新たな発見やワクワクが溢れてくるかもしれませんね!

※参考文献:「おもちゃコンサルタント入門2人々の生活の中に生き続けるおもちゃ」多田千尋編著/黎明書房

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坂東 友恵
執筆者合同会社バンビーノ代表、おもちゃコンサルタント
坂東 友恵
子育て中のアイディア“こどもトランプ1to10”で特許取得、グッドトイ受賞のママ起業家。神戸に生まれ育ち、引越会社を寿退社後一変、10年間で7回引越を余儀なくされる子連れ引越マスター。2018年~夫の転勤で6才・4才の姉妹とベルギー暮らし。

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