集まる【連載】おもちゃ美術館がやってきた! 移動型おもちゃ美術館「キャラバン」物語
木のおもちゃと遊びはみんなで作る‼︎ ~岐阜県
2019.01.12
岐阜の木育キャラバンは、産・官・学・民が連携!地元生まれの木のおもちゃと遊びでいっぱいです。連載第4回。
下の写真に写っている木のおもちゃたちは、どれもが岐阜県生まれです。
しかも使っている木は岐阜県産材。つまり「岐阜の木を使って、岐阜の作家が作っている木のおもちゃ」ということになります。これ、実はなかなか大変なことなんです。
実際にやってみようとするとわかるのですが、地元の木を安定的に手に入れるのは現実にはカンタンではない場合が多く、それが広葉樹材となるとさらに困難になります。高い志を持って木のおもちゃを作ろうとするとき、越えなくてはならない壁のひとつといえますが、産官学民の協力体制がある岐阜では難しいことではありません。
そんな岐阜県生まれの木のおもちゃたちと、岐阜の熱い木育プレーヤーが大集合するのが、岐阜の木育キャラバンです。
初年と翌年の会場となった岐阜駅前の十六ぷらざホールは、普段はコンサート公演などに使われており、積み木の崩れる音も、子どもたちの歓声も、いつも以上に気持ちよく響きました。
さて、こちらは岐阜県生まれの木のおもちゃ「つみぼぼ」による「鯉のぼり積み」レース。ご覧の通り毎回めちゃめちゃヒートアップします。1分の制限時間内に1つでも多く積んだ人の勝ちなのですが、10個目を積むあたりから難易度がグーンと上昇。このエキサイティングな遊び方、実はこのキャラバン開催の折に、主催サイドのおもちゃコンサルタントのみなさんが「もっといろんな遊び方を提案したい」と考え出したものなのです。ちなみに公式認定記録は13個!ぜひ記録更新に挑戦してみてください。
そしてこちらが「つみぼぼ」本来の遊び方。個人でこれだけの数を揃えるのはなかなか大変ですが、キャラバンでなら思う存分たくさんのピースを使って、大きなものを作ることができます。ちょっと話が飛びますが、積み木というおもちゃはある程度ピースが充実しててくると、遊びの広がり方・遊びの深まり方が別の次元にレベルアップ。キャラバンの魅力のひとつは、積み木の種類が多く、どれもピースが多いことにあります。積み木遊びの潜在力を引き出せるオトナは、いつでも子どもにモテモテです。
大人気!かんなくずのプールです。ヒノキやスギのかんなくずは香りと感触がよく、中に入った子どもたちは大はしゃぎ。木材の加工所が多い岐阜ではまとまった量のかんなくずがすぐに集まるので、簡単に開催することができました。遊んでいるうちに細かくなるくずが飛散し、後始末がたいへんなのが玉にキズですが、条件が合えば開催したい木育遊びのひとつといえるでしょう。
そのほかにも「つみぼぼ数え歌」や「つみぼぼドミノだおし」など、岐阜のおもちゃコンサルタントのみなさんの遊び方発明はとどまるところを知りません。
以前から岐阜には「岐阜おもちゃ研究会」があり、木のおもちゃ作家たちはお互いの活動を切磋琢磨してきた歴史があります。そこに木育を通じて遊び手との交流が加わり、実践的な木育遊びのコンテンツを育みはじめました。木育キャラバンは県民へのお披露目の場として活用されているのです。
2013年の初開催以来、主催の岐阜県林政部をはじめ、岐阜県立森林文化アカデミー、林業、製材、加工に携わる方々、そして岐阜グッドトイ委員会をはじめ木育研究会のみなさんと、まさに文字通り産官学民で運営している岐阜の木育キャラバン。日本全国からその動向が注目されていると言っても過言ではないでしょう。
最後はみんなで楽しく、お片づけタイム!
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【連載】おもちゃ美術館がやってきた! 移動型おもちゃ美術館「キャラバン」物語
遊ぶ知る集まる2019.01.12