集まる【連載】子どもたちの笑顔のために~木のおもちゃの製作現場から思うこと~

非日常のチカラ。イベントを楽しもう!

2019.01.11

親子向けイベントなどで行われる、木のおもちゃ作りのワークショップ。そうした「非日常の場」の意義って? 連載第5回。

非日常のチカラ。イベントを楽しもう!

新しい年になりました。本年もよろしくお願いいたします。そしてこの連載も残すところあと2回となりました。ぜひ最後までお付き合いください!
今回は「イベント」について少しお話ししたいと思います。

ナカムラ工房では現在、1年間に10回ほどワークショップイベントに参加させていただいています。工房を始めて8年。当初は子どもたちはじめ、お客様に楽しんでもらうため、ナカムラ工房を広く知ってもらうため、そして木のおもちゃを生業としていますので売上げのため。このくらいの気持ちでした。出店したときには参加者の皆さんの笑顔も見ることができ、私自身も楽しい時間でした。そんなあるとき投げかけられた言葉があります。

「イベントなんて何の意味があるの?」

この言葉をきっかけにイベント出店でワークショップを開催する意味をより深く考えるようになりました。その後も自分なりになんとなく思うところはありましたが、なかなか核心を掴めずにいました。そんな中、ある印象的な出来事がありました。

2014年「たまオモチャ市」(現在はお休み中)というイベントに出店させていただいたときのことです。その時はカッコウ笛を作る内容で、ヤスリをかけたりペイントをしたり。キラキラのデコレーションパーツを貼ったりしてオリジナルの作品を完成させよう! という内容でした。

ワークショップに参加してくれた親子さんで、ママがお子さん(3歳~4歳くらい)に「え?ハート描いたの!?スゴーイ!!」と、とてもびっくりして喜んでいるご様子でした。その後に「この子あんまり器用じゃなくて、丸も上手に描けなかったんです」とお話してくださいました。人生初のハートだったそうです。
そういう場面に出会えたのも嬉しかったですし、このことをきっかけにワークショップの場を設ける意味ってこういうことなのかな、と感じました。楽しい場所に来た高揚感。家庭、学校など普段の生活とも違う環境。そんな非日常だからこそ、子どもの背中をポンとちょっとだけでも押してあげられる何かがあるのかもしれません。

姉妹でワークショップ

ナカムラ工房ワークショップ。作品完成後の笑顔。この嬉しそうな表情にこちらも嬉しくなります。この表情が生まれただけでも十分意味のある時間だと感じています。

そしてイベントはその場だけではありません。お家に帰って作った物を見せなから「こんなことがあったんだよ」と家族にお話するでしょうし、作ったものが何年も残っていれば「こんなこともあったなー」と懐かしく思い出すこともできます。そういう時間はとても愛しい時間ですよね。

私自身、普段生活していくうえで大事なのは日常だと思っていますが、非日常があることでその日常をより楽しく豊かにしてくれるものだとも思っています。そして「イベント」にはそのチカラがあると考えています。ぜひみなさんもイベントに遊びに出かけた際は、日常を楽しくしてくれるスパイスを探してみてくださいね。きっと見つかるはずです。また、そう思ってもらえるようなものをこれからもご提案してきたいと思っています。

兄と妹でワークショップ
中村 隆志
執筆者おもちゃ作家、おもちゃコンサルタント
中村 隆志
1981年生まれ。かつて保育士として5年間活動。2010年ナカムラ工房を立ち上げる。子どもたちと過ごしたなかで感じた「こういうのがあると楽しいな」を形にするべく日々奮闘中。上松技術専門校卒業。新潟市在中。

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