知る【連載】明日がちょっと楽しみになる!おもちゃと遊びの話

木にも個性がある!  おもちゃを通して五感で楽しむ「木の種類」の話

2018.09.28

日本には豊かな森があり、多様な樹木があります。そんな木の種類や特徴のこと、おもちゃを通して知ってみませんか?

木にも個性がある!  おもちゃを通して五感で楽しむ「木の種類」の話

豊かで多様な木の国、日本

日本は世界有数の森林率を誇る森の国。しかも、日本の森には針葉樹も広葉樹もあり、木の種類が豊富です。私たちはさまざまな種類の木に囲まれて暮らしているのです。
また、建物の床や柱、家具、食器など、暮らしの中でもたくさんの木製品に触れています。木が身近にあると、なんとなく心地よく感じるのは、昔から日本人にとって木が身近な存在だったからでしょう。

そんな木の種類、皆さんはいくつ知っていますか?
数えようとしても、意外と出てこない…という方が多いのではないでしょうか。
特に、さまざまな製品に加工された木から種類の違いを見分けるのは、なかなか難しいものです。
でも、色や手ざわり、香りなどを手掛かりに、木の種類に注目してみると、木のことを知り、日本の森の多様さや豊かさを感じることができるかもしれません。

そのきっかけとしておすすめなのは、木のおもちゃです。

なぜならおもちゃは、建物の材などと違って手に取ることができ、握ったり、積み上げたり、たたいたり、転がしたりと、遊びを通してじっくり木の個性を五感で感じることができるからです。

木のおもちゃを通して、日本の樹種とその特徴を見てみましょう。

いちばん使われている木材 スギ

近年は花粉症の原因というマイナスイメージもありますが、木目が美しく、香りがよいので、古くから建築材として活用されてきました。軽くてやわらかく、肌ざわりがあたたかいのが特徴です。
日本でもっとも多く植林されている木で、さまざまなものに使われています。もちろんおもちゃにも。

例えば、「おむすびころりん」(木楽工房)。

米どころ秋田の杉で作られています。手にするとあたたかく、ほっとするところはおむすびと同じですね。積みあげたり、並べたりするほか、おままごとにも使えます。

香りも人気の高級材 ヒノキ

加工しやすく、長持ちする高級材で、古くから神社やお寺の建築に用いられています。独特の香りがあり、近年ではアロマスプレーなども作られています。また、風呂桶の材料に使われるように、水に強いという特徴もあります。

そんな特徴を活かしたおもちゃが、「みにますつみき」(株式会社Tree To Green)です。

お酒やお米を量る「ます」の形の積み木。中が空洞なので、ユニークな積み方ができます。また、水に浮かべて、お風呂やプールなどで遊ぶこともできます。

細かな木目としっかりとした重量感 カバ

カバの木目は細かく緻密で、針葉樹であるスギ・ヒノキと比べると違いがよくわかります。また、重さがあり、堅いのが特徴です。

このしっかりとした重さを活かしたおもちゃが「クルクルサンサンカー+」(スタジオノート)です。

北海道のおもちゃ作家が、地元産のカバ材を使って作っているプルトイです。車には重量感があるので、ひもを引いたときの動きも安定します。

さまざまな木の違いを楽しむおもちゃ

木の個性そのものを楽しめる、多様な樹種を使ったおもちゃもあるんです。「小さな森の合唱団 琉球版」(オークヴィレッジ)です。

6種類の日本の木を使った木琴。音板それぞれに、木の名前が書いてあります。
無塗装なので色の濃いもの、薄いもの、赤みのあるものなど色合いの違いがわかりますね。

また、ドレミの七音階から「レ」と「ラ」を抜いた琉球音階を奏でるこの木琴ですが、音板の長さはすべて同じです。木によって堅さや密度などが違うため、叩いたときの音の高さも違うのですね。

木の種類によってそれぞれ個性があり、また木目も色も、1つとして同じ木はありません。木も私たちと同じ生き物だと感じると、より親しみを感じることができそうですね。

木のおもちゃをはじめ、さまざまな木製品にふれるとき、木の個性を意識して、見る、触れる、音を聞くなど五感をフル活用してみてはいかがでしょうか?

goodus 編集部
執筆者goodus編集部
goodus 編集部
わくわくすること、明日がちょっと楽しみになるようなことを発信していきます。

【連載】明日がちょっと楽しみになる!おもちゃと遊びの話

この連載の記事一覧へ

知る2018.09.28