暮らす【連載】グッド・トイの秘密を見に行こう!

日本でいちばん古い木製玩具メーカー ニチガンの「エルムの木馬」(前編)

2019.04.19

今回は株式会社ニチガンさんにお邪魔し、ロングセラー「エルムの木馬」についてお話をうかがいました!連載第1回。

日本でいちばん古い木製玩具メーカー ニチガンの「エルムの木馬」(前編)

「グッド・トイ」とは、私たちおもちゃコンサルタントが、おもちゃ選びの指標になるように毎年選んでいるおもちゃで、選考は30年以上続いています。
この連載では、グッド・トイに選ばれたおもちゃをピックアップして、そのメーカーを訪ね、開発エピソード、おすすめポイントなどをインタビューします。どんな人がどんな思いでおもちゃを開発、製造、販売しているのでしょう?

今回は、「エルムの木馬」を製造・販売する株式会社ニチガンさんにお邪魔しました。
インタビューに答えてくださったのは、入社33年のベテラン、生産部部長の吉川和也さんと入社3年目の企画部デザイナー長山啓子さんです。

エルムの木馬のオススメポイント3つ教えください。

吉川さん:

はい、
1、材が国産のニレの木なので、木目が綺麗で肌触りが良い。
2、木馬としては小さめで1歳半から遊べる。
3、発売当時と同じ職人が作っている。
の3点です。材は発売当初から、オール国産です。尻尾は麻。岐阜の工場でずっと作り続けています。デザインも全く変わっていません。

何年から販売されているのですか?

吉川さん:

えーと、実は私達も分からないのです(笑)。グッド・トイを受賞した1997年よりも大分前だと思います。古いカタログがありますので、見てみましょう。

吉川さん:

これだと思います。1977年。この年のカタログの表紙になっています。この前の年には無いので、この年が発売元年だと思います。

スゴイ!このカタログのレトロ感!他の年もみんな素敵ですね。

発売からなんと42年! この木馬についてもう少し教えてください。

吉川さん:

開発エピソードに関しては、当時の開発者が今はもういないので何ともいえません。

長山さん:

デザイナー目線で見ると、シンプルなのに、馬らしい顔をしているところや顔のラインも絶妙です。お洒落。42年前のデザインとは思えないです。

吉川さん:

2世代、3世代で利用している方もいます。「尻尾がとれたから直してほしい」なんて言われて、工場で修理することもあります。長く使ってもらえてうれしいですね。1977年の発売当時、12,500円。当時にしては高級おもちゃですね。でも、3世代で使ったら元はとれてますね。
沢山の商品が販売され、消えて行く中で、エルムの木馬は当時から変わらず販売され続けています。今後も廃盤になることはありません。当社のシンボル商品です。守って行きたいです。

* * * * * *

「エルムの木馬」は、40年以上も変わらず作られ、大切に販売されているおもちゃでした。また、世代を越えて愛用している人たちがいました。 次回は、こんな素敵なおもちゃを守り続けている会社の歴史や、社員の方の思いをお聞きします!

次回の記事はこちらから!≫≫≫

橋本 光子
執筆者おもちゃコンサルタント、グッド・トイ選考運営委員会 副委員長
橋本 光子
公民館で社会教育指導員として、赤ちゃんから高齢者までの社会教育を日々、企画、運営、進行しています。また、グッド・トイの選考に携わり、1人でも多くのおもちゃコンサルタントが選考に参加できるような仕組みを考えています。

【連載】グッド・トイの秘密を見に行こう!

この連載の記事一覧へ

遊ぶ暮らす知る2019.04.19