育む【連載】突撃!となりの「おもちゃの広場」!

手話でおしゃべりしながら遊ぶ 墨田区・頭金多絵さんのおもちゃの広場

2019.01.18

東京都墨田区のボランティアセンターに突撃! そこでは手話でのおしゃべりとたくさんの遊びが生まれていました。連載第5回。

手話でおしゃべりしながら遊ぶ 墨田区・頭金多絵さんのおもちゃの広場

頭金多絵さん。資格認定講座「おもちゃインストラクター養成講座」の講師として全国で大活躍中ですが、手話通訳士としても、長く活動していらっしゃいます。

頭金さんの活動拠点は東京都墨田区。すみだボランティアセンターで、手話サークルのみなさんと一緒におもちゃの広場を開催しています。広場の開催歴は長いのですが、手話サークルさんと一緒に、こちらで開催するのは今年になってからだそう。クリスマスに近いある日の広場を取材に伺いました。

会場に入ると、ボランティアセンター常設の遊びスペース「おもちゃサロン」のものと、頭金さん所有のおもちゃが、子ども達を待っています。
開場前のスタッフミーティングでの自己紹介。みなさん、手話を使っています。頭金さんのように、言葉と手が同じように語る方もあれば、ゆっくり考え考え手話を使う方もありました。聴覚に障がいのある方、聴覚障がいを持つお子さんのお母さんもいらっしゃいます。

ミーティングで、頭金さんがおっしゃいました。
「ここでは、相手によらず、おしゃべりする時には必ず手話をつけること」
相手によらず、というのは、お話する相手が手話が必要でも、必要でなくても、ということ。
聞こえる人同士がおしゃべりしているのは、聞こえていれば、遠くからでも何をしているのかわかります。でも聞こえない人にとっては、何が起こっているかわからない。だから、声のおしゃべりと同時に手のおしゃべりもつけること、と。

遊びに来た子どもたちをひとりぼっちにさせない。その子にあったコミュニケーションの手段を知っておく、できれば持っておくことが大切だと、まだ手話のできない私は、身にしみて感じました。

聴覚障がいのお子さんの親御さんは、お子さんが生まれてから手話を覚える方がほとんどだそうです。遊びの中で手話を覚えてコミュニケーションできるよう、こうした手話通訳者のいるおもちゃの広場や遊びの場が必要、と頭金さんはおっしゃいます。

私も、ちょっとした単語だけ、挨拶だけでも、みんなが知っていたらいいのにと思いました。安心して遊べること、自分の思っていることが相手に伝わること、相手が感じていることをわかること、ここにいていいんだと思えること。気持ちのやりとりができる、おもちゃと遊びの場だからこそ必要だと思います。

頭金さん、広場をオープンした後、スタッフの方にお願いをして、近隣の公園にいるお子さん連れの方へ「どなたでも参加できますよ」と、広場開催チラシを渡してもらっていました。この広場が手話を必要とする親子の為だけではなく、いろんな人が一緒に遊ぶことを大事としているからでしょう。自分とちょっと違う側面を持つ人とでも同じ場所で遊べるのが、おもちゃのある場のちから。東京おもちゃ美術館でも、手話通訳者のいるイベントやおもちゃワークショップが開催されるそうです。

頭金さんの働きかけで、様々な機会が生まれています。今回取材させていただき、その想いを受けて、わたしたち、おもちゃや遊びにかかわる人たちで何ができるのか、立ち止まって考えるいい機会となりました。
頭金さん、スタッフの皆さま、取材させていただき、ありがとうございました。

次回はいよいよ最終回です。どんな広場に出会えるでしょう。お楽しみに!

加藤 理香
執筆者おはなしパフォーマー、おもちゃコンサルタントマスター
加藤 理香
ある時はおはなしパフォーマー、またある時はおもちゃコンサルタントマスター等、活動は多岐に。おもちゃの広場運営お手伝い中。岐阜市在住、活動範囲は北海道から沖縄まで。「どこでもドア」を持っているとの噂あり。

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