遊ぶ【連載】木や森の力で社会を良くする「木育」お仕事図鑑

木育お仕事図鑑2「森のプレーワーカー」

2020.05.15

子どもたちに森の中で遊ぶ楽しさを伝えるのが「森のプレーワーカー」です。木育(もくいく)のお仕事を紹介する連載第3回。

木育お仕事図鑑2「森のプレーワーカー」

木育のお仕事紹介、2回目は「森のプレーワーカー」です。

プレーワーカーとは、子ども達が本来の子どもらしく、自由に遊ぶことができるよう、環境作りや、その手助けをしていく人のこと。街中では、児童館や放課後児童クラブなどでプレーワーカー達が活躍していますが、ここでは「森」をフィールドにしたプレーワーカーについてご紹介したいと思います。

森には面白いモノがいっぱい!

森の中には、子ども達が楽しめるモノがいっぱいあります。虫取り、木登り、探検と、挙げればきりがありません。子どもたちにたくさん自然に触れてもらいたい!元気いっぱいに遊んでもらいたい!それは子育て中の大人の共通した思いではないでしょうか?

一方で、今は親の世代でも森の中で遊びまわっていたような人は少数です。子どもを森に連れて行ける大人は多くありません。

森の中で迷子になったらどうしよう?
転んで怪我をしたら、応急手当は?
蜂やクマに襲われたら?

森に子どもを連れていくことは親にとって不安がいっぱい。さらに、子ども達を遊ばせてよい森がどこにあるのかもよくわかりません。そこで森のプレーワーカーの出番です。

森のプレーワーカーが活躍するプレーパーク

私の職場がある岐阜県には、各地にプレーパークという子ども達の遊び場があります。ここでは「自分の責任で、自由に遊ぶ」をモットーに子どもたちが思い思いの遊びに熱中します。そのいくつかのフィールドは生活圏の近くにある山や森です。

プレーパークの特徴は、プレーワーカーが空間作りや安全管理(やりすぎない)をして、子どもたちが自分で考えて、全力でチャレジしたり、失敗したりすることができる遊び場を作っていることです。

森のプレーワーカーは自然の不思議や面白さを子ども達に伝えるインタープリターとしても活躍します。
子ども達は自然体験を通して好奇心や探求心、思いやりの芽を育てていきます。甘えん坊だった子どもが、いつしか枝とロープとナイフを使い、なんだって自分で作れるようになる。それを見ている親たちも変わる。そんな、驚くほどの成長も見られます。

生活のより身近なところにいる自然案内人

自然体験の仕事というと、自然学校のスタッフなどが知られていますが、森のプレーワーカーは身近な自然を子ども達の「育ち」や「気づき」に繋げます。
焚火やロープワークも得意ですが、枝が1本あればどれだけでも遊びを生み出す創造力もあわせ持っています。

自治体や幼稚園、保育園などが運営するプレーパークや、未就学児を対象にした森のようちえんが全国的に広がっています。森のプレーワーカーを求めるフィールドは、今後ますます広がっていくでしょう。

【木育お仕事データ】 その2:森のプレーワーカー

〔活躍の場〕 身近な山や森、公園など
〔向いている人〕 子ども好きで森の中で過ごすのが好きな人
〔やりがい〕 森の中で、子どもと大人の両方が成長していく瞬間を見れること。



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前野 健
執筆者岐阜県立森林文化アカデミー講師(木工専攻)、おもちゃコンサルタント
前野 健
木工教員としてモノ作りと木育の授業を担当しています。 学生と一緒に様々な地域の課題に関わりながら、地域材の活用と地域の活性化を両立させる木育プログラムの開発・実践を行っています。ウッドスタート公認デザイナー。 活動ブログ「街と森の交差点」http://machitomori.forest.ac.jp/

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