遊ぶ子どもの「食べる力」が育つ おうちでできる心がけ

離乳食期に大切な環境づくり4つのポイント-子どもの食べる力が育つ心がけ#3

2021.06.25

「食べようとしない」「途中で遊び始める」などの離乳食のお悩み、環境を整えることで解決するかもしれません。連載第3回目。

離乳食期に大切な環境づくり4つのポイント-子どもの食べる力が育つ心がけ#3

前回に続いて今回も、離乳食期(6か月~1歳半位)の子を持つお母さんに心がけてほしいことをお伝えします。

【前回の記事はこちらから】

私の運営している<親と子の自由空間ほっと>では、専門の管理栄養士さんを呼んで、離乳食講座や出汁講座を開催しています。

参加のお母さん方からは
〇食べることに興味がないみたいで、自分から食べようとしません。
〇食事に集中せず、食べ物で遊びはじめてしまいます。
〇際限なく食べてしまい、終えようとすると泣いて怒ります。
〇白いご飯が嫌いで食べません。
〇ちゃんと噛まず丸呑みしているみたいなんです。
というような声が聞かれます。
あなたはいかがですか?

講座では講師がお母さんの声とお子さんの様子を見ながら丁寧に答えていくのですが、たくさんのお子さんを見てきた私からお母さんたちに伝えたいことは、「環境を整えましょう」ということです。

食事に誘う雰囲気を大切に

もしもあなたがいきなり椅子に一人で座らされて、真剣な顔をした人が前に座って、口に何かを突っ込んできたら、それを味わって飲み込むことできますか??

 

1回目にも書きましたが、赤ちゃんは知識は少ないけれど感情は大人同様、もしくは大人以上に豊かです。
雰囲気はすごく大事です。
以前書いたように、他の家族がご飯を食べている時一緒にいるようにしていたなら、「あなたもいかが?」という感じで一口食べさせるところからスタートできますね。

“食べる”に集中しやすい環境 4つのポイント
1:きちんと座れる椅子を用意する

食べ物を咀嚼して飲み込むには、背中をまっすぐ保つことと足の裏がしっかり床についてることが必要です。
試しにご自身で、背もたれを斜めにして寄りかかり、足を浮かせて何かを食べようとして見てください。すごく食べにくいはずです。
赤ちゃんが良い姿勢で食べられる椅子を用意しましょう。大きいものしかないのなら、箱や古雑誌等で調整してもいいですね。

2:おもちゃ等が目に入らない席を用意する

まだ食べる事と遊ぶ事の境界線が分かっていない赤ちゃんですので、見える範囲におもちゃがあったりテレビがついていたりすると、そちらに気持ちがいってしまいがち。
食べる席からそれらが見えないように場所や向きを工夫しましょう。
どうしても目に入ってしまう所におもちゃ等があるなら、食事中は「おもちゃはちょっとお休みね」と布をかけてしまえばOK。

3:誰かと一緒に楽しく食べる

離乳食の時期からなるべく家族で一緒に食事をしましょう。
赤ちゃんは赤ちゃんだけで離乳食、としてしまいがちですが、食べる時は誰かと一緒に食べたほうが楽しいのです。

4:お腹が空く生活をする

最後に、実はこれが1番大事なこと。
食べる時にお腹が空いているようにしましょう。
前の授乳から時間が空いている、自分の身体を自分で動かしてそろそろお腹が空いているはず、そういう時間を離乳食の時間にしましょう。

赤ちゃんは大人の目から見て「きれいに」「上手に」「お行儀よく」用意した離乳食を食べることはできません。
第1回目で申し上げたゴール「周りの人と楽しい食事の時間を過ごせる人、自分の身体が元気でいられるような食事が作れる人」になるべく練習を始めたばかり。初心者中の初心者です。

ちゃんとお腹が空いている時に、それぞれのお口や身体の発達の状況に合った食べ物が目の前にあって、周りの人が楽しそうにおいしく行儀よく食べていれば、必ずだんだんと上手に食べることを覚えていきます。
家族や友達と楽しく同じお料理の食卓を囲む日はもうすぐ!楽しみですね。

* * * * * *

次回は、離乳食を終えた1~3歳位のお子さんの“食べる”についてお伝えします。
大人と同じものが食べられるようになる時期。
“食べる”につながる楽しい体験もできるようになります。。

次回の記事はこちらから≫≫≫

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石川 くに子
執筆者『親と子の自由空間ほっと』を運営。おもちゃコンサルタントマスター。
石川 くに子
おもちゃコンサルタントマスター。東京都昭島市で『親と子の自由空間ほっと』を運営し、親子のためのさまざまな講座やイベントを開催。「子どもたちの健やかな成長に少しでも力になることができますように。子どもを育てるママたちの楽しく充実した毎日を重ねていく力になれますように。そんな思いで運営しています。」

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