遊ぶ【連載】高齢者施設におもちゃと遊びをお届け!アクティビティ ディレクター活動記

みんなでも、ひとりでも!お年寄りがドキドキ・ワクワク楽しめるおもちゃ

2019.09.13

みんなでワイワイ、ひとりでじっくり、どちらもできるおもちゃは施設で過ごすお年寄りにもおすすめ!連載第1回目です。

みんなでも、ひとりでも!お年寄りがドキドキ・ワクワク楽しめるおもちゃ

こんにちは!アクティビティ ディレクターの小平有紀です。
介護施設の職員を経て、現在はフリーランスのアクティビティ ディレクターとして日々、高齢者施設を訪問し、おもちゃや遊びを届けています。

アクティビティディレクターとは、芸術・遊びなどその人らしい生活文化を支援するアクティビティケアを施設や在宅、介護予防の現場で企画・実施できる人材。「心の管理栄養士」とも言えます。

高齢者施設で「おもちゃ」や「遊び」??
不思議に思う方もいるかもしれません。
どうして高齢者におもちゃなのか?どんな効果があるの?

高齢者施設ではさまざまな介護度の方が同じ空間で一緒の時間を過ごすことが多いです。
それぞれの生きてきた人生歴、生活歴、趣味や嗜好も違います。
でもおもちゃや遊びは、誰でも通ってきた懐かしい子どもの頃の記憶や経験を思い出させてくれます。
どんな時代であっても懐かしい気持ちを呼び起こしてくれる。
お年寄りにとっておもちゃや遊びは身体や頭、心を心地よく刺激する生活道具の1つです。

みんなでワイワイ遊ぶと、お年寄り同士やスタッフとの心の距離を縮め、初対面の人との交流も促します。
ひとりでじっくり遊べば、集中力やチャレンジ意欲を生み、リハビリの効果も期待できます。
一見正反対のようですが、1つのおもちゃでどちらの遊び方もできるおもちゃがあるんですよ。

【スティッキー/ハバ社】

サイコロを振って出た色のスティックを引き抜いて、束を崩さないように遊びます。
でもただ順番にスティックを抜くだけでもいいと思います。
テーブルを囲んで、またはお隣同士で交互にチャレンジ。
周りで見ていて応援していた方が「次は私にもやらせてね」と遊びの輪が広がります。
急いで抜こうとする方が多く見られるので、「ゆっくり、ゆっくり~」と声掛けしながらこちらが少しサポートすると遊びが持続するようです。
小スペースで出来るので、準備も片づけも簡単!

一方、スティッキーをひとりで楽しむのが好きな80代のおじいちゃん。
「ここの柱を抜くと、こっちが倒れるわな」「いや、こっちが先やな」といつも真剣です。
実はこの方、元大工の棟梁さん。
全体のバランスをよく見ながら楽しまれています。
その方の生きてきた様子が垣間見れたりするのもおもちゃや遊びの力なのかもしれません。

ただお年寄りには遊ぶことに抵抗のある方が多いです。
他人の前で失敗したくないという思いから、はじめてのことには消極的になってしまいがちです。
また「おもちゃは子どもっぽいと思われるのではないかしら」と考える職員さんもいらっしゃいます。
ルールよりまず手に取ってみたくなる色や形。
思わず懐かしいと感じる気持ちが湧いてくるおもちゃ。
そんなおもちゃを選んで、失敗しないサポートを心掛けるだけで、とても楽しいアクティビティとなります。
もちろん参加しなくても、見ているだけ、応援するだけでもいいのです。
その場にいるだけでもハラハラドキドキ、ワクワクするのがおもちゃや遊びの魅力なのではないでしょうか。

まずはお年寄りも、職員さんも一緒に楽しんでみましょう!

おもちゃコンサルタント資格を持ったアクティビティ ディレクターとして、笑顔を引き出すおもちゃや遊びの役割をどう伝えていくか?
日々の現場での活動記(奮闘記?)をこれから綴っていきたいと思います。

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小平 有紀
執筆者アクティビティディレクター、アロマセラピスト、おもちゃコンサルタント
小平 有紀
フリーのアクティビティ ディレクター。介護職員時代にアロマセラピーと出会い、アロマセラピスト資格を取得。また高齢者現場にもおもちゃと遊びアクティビティを広げたいとの思いからおもちゃコンサルタントを取得。現在は介護施設や地域の介護予防教室で、五感に響く「アロマ」と「おもちゃ」を活用したケアやストレッチの指導を行っています。

【連載】高齢者施設におもちゃと遊びをお届け!アクティビティ ディレクター活動記

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